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“町長”は慶大ラグビー部元主将 仮想空間「丸の内15丁目」が“にわか”の心を掴む理由

「丸の内15丁目」プロジェクトで得たもの

 15丁目の活動、これから目指すものを聞いて気付くのは、高田がNHKを辞めて新天地に飛び込んだ大きな理由だった「リアルのものを作って、そこに人の顔が見える実感」が、自ら中心になって進める15丁目プロジェクトで実現し始めていることだ。本人も意図していなかったラグビーを巻き込む取り組みの可能性は、さらに広がりを見せようとしている。

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“ポスト2019”として動き出した楕縁大学や15丁目ラガービール、そして3月には走り出そうとしているキッチンカー。その先には、2023年大会でベスト8突破という夢を掲げる日本代表を、リアルとバーチャルを使いながら、今度は10万人の壮行会で送り出そうというチャレンジも思い描いている。

 最後に、これまでの15丁目プロジェクトの中で高田自身が得たもの、学びを聞いてみた。

「街というのは我々1社だけじゃなくて、いろいろな人たちと一緒に創っていく文化だと思います。15丁目プロジェクトをやってきたなかでも、1社で閉じちゃもったいないという思いがある。何かをやりたいとか、タッチしたい、貢献したいと思っている人はたくさんいて、そういう人たちを巻き込みながら、いろいろな志とか、いろいろなスキル、例えば伊勢にある国内を代表するクラフトビールの作り手が15丁目ラガービールを造ってくれるとか、そういう思いを集めていくこと。それが、やっていて面白いですし、すごく大きな力になるなというのは感じています。

 ラグビーって、そういうみんなが一緒にやろうよという繋がりとか、思いが、すごく集まりやすいスポーツだなと気付かされました。1人でやろうとしていることを、その1つ1つの力をいかに集めて、発散させるかがすごく大事だなというのが、一番大きな学びだったと思います」

 1人1人の力を合わせることで、チームとして「1×15」以上の力を引き出すラグビーのように、多くの人たちの思いを集めて作り上げるプロジェクト。丸の内15丁目は仮想空間だが、その街に集まる思いや、熱意、そして何かを実現しようという夢が、現実の世界にリアルに生み出される街でもある。

(文中敬称略)

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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