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“町長”は慶大ラグビー部元主将 仮想空間「丸の内15丁目」が“にわか”の心を掴む理由

昨年から新たに「15丁目ラガービール」の製造、販売にも着手【写真提供:三菱地所】
昨年から新たに「15丁目ラガービール」の製造、販売にも着手【写真提供:三菱地所】

町長として公約を掲げ実現に向けて動く

 2021年9月には、新たに「15丁目ストリートプロジェクト」を立ち上げ、元日本代表主将の廣瀬俊朗を学長に招いて「楕縁大学=DAEN Univ.」という新たなコンセプトを打ち出した。同時にラグビーとラガー(Lager)ビールを掛け合わせた「15丁目ラガービール」の製造、販売にも着手した。

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「街には大学が必要だよねというのと、ラグビー観戦時の定番と言えばビールなので、街のビールを作りたいということでラガービールをスタートさせました。基本コンセプトは変えていませんが、それをさらにいろいろな人たちに届けられるようなオンラインも使い、リアルもやる。その2本立てでやっていけるようなコンテンツで、新たな街作りをしていこうと再スタートしています」

 再始動と同時に社会はコロナ禍に襲われたが、仮想空間という特性も生かしながらの挑戦と発信を続ける。リアルのイベントと同時に、楕縁大学ではオンラインの“授業”にも取り組み、21年9月20日には第1回の講義「カジュアルなソーシャルアクションについて考えよう」が行われた。そこで扱われたのが、前編冒頭でも紹介したdeleteCの取り組みだった。このテーマを取り上げたのも、廣瀬学長に送られたダイレクトメッセージが発端となって実現したものだった。

「オンラインとリアルと両方を掛け合わせながらやっていくことがまず求められました。そのなかで“ラグビー×街づくり”という私たちのコンセプトを、さらに発展させていこうという思いでした。社会課題って、どうやって世の中に伝えていくかはすごく難しい。なかなか伝わらないところがある。それを上手くラグビーの力と掛け合わせて、実際のアクションに落とし込み、気軽に参加できる場所作りをしていきたいと思っています。オンラインも含めて、世界中とは言わないまでも日本中の人たちに、ラグビー×街づくりという丸の内15丁目の取り組みを伝えられるんじゃないかという期待はあります」

 町長としてのアクションも積極的だ。公約を掲げ、それを実現に移そうとしている。

「丸の内15丁目のサイトの中で“住民”と呼ばれる参加者たちが、これをやりたいと手を挙げられる制度を立ち上げています。そのアイデアに『35イイネ』が付くと、実現のために町長が動くというものです。今進めているのがキッチンカーを作って、丸の内を飛び出そうというコンセプトです。このキッチンカーを全国で走らせながら、いろいろな人たちと接点を作って、15丁目の取り組みを共有したい。次のW杯開幕までに日本からフランスまでと同じ距離を走らせたい。15丁目ラガービールを提供したり、地元の人たちと食材とかのコラボもできる。リーグワン各チームの試合会場や、釜石などW杯日本大会と関係のあるところも行きたいですね」

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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