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斎藤佑樹を動かした1人の高校生 「1本200円のレモネード」で子供の命を繋ぐ活動

ぐんま国際アカデミーの理事長も務める清水聖義太田市長。「誰かのために動くことは、生徒たちにとってもいい経験になっていると思う」と生徒の成長に目を細めた【写真:中戸川知世】
ぐんま国際アカデミーの理事長も務める清水聖義太田市長。「誰かのために動くことは、生徒たちにとってもいい経験になっていると思う」と生徒の成長に目を細めた【写真:中戸川知世】

斎藤さんの言葉に「本当に温かくて、優しかった」と松岡さん

「斎藤さんから『一人でも多くの患者を救えるよう、仲間と一緒に頑張って』という言葉をいただきましたが、本当に温かくて、優しかった。こんな有名な選手が来てくれるほど注目されているんだと改めて感じたし、これからも頑張ろう、とモチベーションが上がりました」

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 と、松岡さん。だが、今後の支援活動への取り組みについて問われた斎藤さんのコメントからは、むしろ彼らから刺激を受けた様子がうかがえる。「僕にできないことはたくさんある。でも僕にしかできないこともあるはず。想いを持ってやりたいので、早く見つけていきたい」(斎藤さん)

「うちの学生は社会貢献に対しての意識がとても高い。その中でうまい出会いがあり、皆に応援してもらいながら進んでいき、非常にうれしく思っています」

 この日、群馬クレインサンダーズのレプリカユニフォームを着て、声援を送る清水聖義太田市長の姿があった。清水市長は松岡さんが通う、ぐんま国際アカデミーの理事長も務める。

「ボランティア活動や社会貢献というのは、自尊心を高揚させ、自分自身に自信がつき、勇気が湧いてくる。誰かのために動くことは、生徒たちにとってもいい経験になっていると思います」(清水理事長)

 同校では2017年、一人の女子生徒の呼びかけにより、「女子高生ヘアドネーション同好会」が誕生。抗がん剤治療や放射線治療などで、毛髪を失った子どもに無償で提供する医療用ウィッグの材料となる髪を寄付する活動がスタートした。この時も大手かつらメーカー、アートネイチャーが同好会の活動に賛同。ウィッグを無償で作ってくれることになり、現在では全国各地から髪の寄付が届く。

「彼ら(松岡さんら)はある意味、ラッキーです。いざ、社会貢献しようと思っても多くの場合、恵まれた環境はなかなか整わない。しかし、企業から理解を得られ、一般の方々も巻き込めるいい会場が見つかりましたから」(清水理事長)

 学校側としては今後、レモネードスタンドプロジェクトをどのようにサポートしていくのか? その問いに対し、「あまり大人が口を出さず、彼らは勝手に自分でやっていくのがいいんじゃないかな」と清水理事長。

「例えば、ヘアドネーションの活動も何とかしようという小さな声から始まり、今では全国から支援が届くようになった。レモネードスタンドプロジェクトも同じように、だんだんと広がっていくと思いますよ。だいたいうちの生徒たちは、自分でストーリーを作り、結論までもっていくのが得意。どうしても助けて欲しいというときは助けますが、今後もうまい具合に続けていけるんじゃないですかね」(清水理事長)

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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