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ラグビー日本代表、苦戦に見えた光明 デビュー戦初トライの24歳中野将伍が示した可能性

ヨーロッパ遠征中のラグビー日本代表は、現地時間13日(日本時間14日)にポルトガル代表を38-25で下して、2年ぶりの勝利を手にした。今年に入って行われたテストマッチの連敗を「4」で止めたものの、開幕まで2年を切った2023年ラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会で掲げるベスト8突破という目標に向けて多くの課題を露呈しながら、20日のスコットランドとの今年最終戦へ準備を進める。苦闘の中で、テストマッチ初陣のCTB中野将伍(東京サントリーサンゴリアス)がデビュー戦トライをマークするなど、新たな上積みという収穫も手にした日本代表。ポルトガル・コインブラでの勝利から、2年後のフランスへ向けて日本代表はどこまで前進できたのかを読み解く。(文=吉田 宏)

デビュー戦でトライをマークするなど存在感を見せたCTB中野将伍【写真:Getty Images】
デビュー戦でトライをマークするなど存在感を見せたCTB中野将伍【写真:Getty Images】

ヨーロッパ遠征第2戦、格下のポルトガル相手に38-25と辛勝

 ヨーロッパ遠征中のラグビー日本代表は、現地時間13日(日本時間14日)にポルトガル代表を38-25で下して、2年ぶりの勝利を手にした。今年に入って行われたテストマッチの連敗を「4」で止めたものの、開幕まで2年を切った2023年ラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会で掲げるベスト8突破という目標に向けて多くの課題を露呈しながら、20日のスコットランドとの今年最終戦へ準備を進める。苦闘の中で、テストマッチ初陣のCTB中野将伍(東京サントリーサンゴリアス)がデビュー戦トライをマークするなど、新たな上積みという収穫も手にした日本代表。ポルトガル・コインブラでの勝利から、2年後のフランスへ向けて日本代表はどこまで前進できたのかを読み解く。(文=吉田 宏)

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 負の連鎖を辛うじて断ち切った――。こんな表現が適当だろう。ラグビーW杯8強入りの日本が、世界19位のポルトガルに食らいつかれながらもぎ取った勝利は、2019年10月13日のW杯スコットランド戦以来762日ぶりのもの。会見に参加したゲームキャプテンのCTB中村亮土(東京SG)の顔も、歓喜よりは安堵の表情をたたえていた。

「準備段階から難しい試合になることは予想していたが、チームは前週よりもまとまっていたし、いい準備ができていた。ただし、ゲームの内容としては、反則で自分たちのペースがなかなか握れず難しい展開になった。勝って次へ進むことが大事だと思っていたし、急に強くなるわけでもない。毎週いい積み重ねをして、スコットランド戦へ向け準備をしていきたい」

 ゲーム展開の優劣の参考になるボール保持率(ポゼッション)は日本の44%に対してポルトガルは56%。地域支配(テリトリー)も44%対56%と振るわなかった。前回のアイルランド戦後のコラムでも触れたパス回数、アタックを仕掛けたラン回数という攻撃面のデータでも、敗者に上回られた。

 何より気掛かりなのは反則数だ。通常なら敗者、フィジカル面などで不利なチームが多いはずだが、ポルトガルの8回に対して日本は15回と倍近い笛を吹かれている。10分間の一時退場となるイエローカードも3試合連続で出ているなど、勝敗に直結しかねない領域での課題は解消されないままだ。参考までに19年W杯での日本の反則数は1試合平均7.2だったが、今秋の代表戦3試合では平均13.7に増えている。

 反則増加の要因は、当然ながら1つではない。19年W杯を境に、対戦相手が明らかに日本を分析してきていることも影響している。どの対戦相手も共通するのは、日本に速い展開をさせないために接点で重圧をかけることだ。そこに、ブレークダウンに参加する日本の2人目、3人目のサポート選手の集散が遅いことが反則に繋がっている。

 19年W杯時には、まるで設計図に描かれた通りに計算尽くされたプレーで選手が動き、計算された密集に計算どおり入っていた日本の緻密な動きは、いまだ完全に取り戻せていないのが現状だ。そこには、23年へ向けて新たな戦力をチームに取り込んでいることも影響しているのは間違いない。ポルトガル戦の先発15人でも、2年前のW杯メンバーは半数しかいない。このような選手の新陳代謝は、チーム強化には避けられない“生みの苦しみ”の1つでもある。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19年と6大会連続で取材。

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