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今も愛する日本と戦う23年ラグビーW杯 エディーHC告白「抽選会の朝、ふと予感がした」

「THE ANSWER」は各スポーツ界を代表するアスリート、指導者らを「スペシャリスト」とし、第一線を知る立場だからこその視点で様々なスポーツ界の話題を語る連載「THE ANSWER スペシャリスト論」をスタート。第1回として、ラグビーの世界的名将と知られるイングランド代表ヘッドコーチ(HC)エディー・ジョーンズ氏を迎える。1996年に東海大ラグビー部コーチを務めて以来、日本ラグビー界と縁の深いエディー氏がラグビー界のトレンドから自身の指導論まで定期連載で明かす。

エディー・ジョーンズ氏が23年ラグビーW杯について語った【写真:小倉元司】
エディー・ジョーンズ氏が23年ラグビーW杯について語った【写真:小倉元司】

「THE ANSWER スペシャリスト論」ラグビー指導者、エディー・ジョーンズ

「THE ANSWER」は各スポーツ界を代表するアスリート、指導者らを「スペシャリスト」とし、第一線を知る立場だからこその視点で様々なスポーツ界の話題を語る連載「THE ANSWER スペシャリスト論」をスタート。第1回として、ラグビーの世界的名将と知られるイングランド代表ヘッドコーチ(HC)エディー・ジョーンズ氏を迎える。1996年に東海大ラグビー部コーチを務めて以来、日本ラグビー界と縁の深いエディー氏がラグビー界のトレンドから自身の指導論まで定期連載で明かす。

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 今回は「エディー氏が語る、23年ラグビーW杯」。先月14日に第10回ワールドカップ(W杯)フランス大会の組み合わせ抽選が行われ、日本はラグビー発祥の地イングランド、アルゼンチンと同じ「D組」に入った。エディーHCにとって、日本は2015年イングランド大会を率い、南アフリカに大金星を挙げる「ブライトンの奇跡」を演じた“古巣”だ。どう今回の組み合わせを受け止めたのか。率直な想いを独占告白した。

(取材・構成=THE ANSWER編集部・佐藤 直子)

 ◇ ◇ ◇

 抽選会の朝、ふと日本とイングランドが同組になる予感がしました。だから、あまり驚きはありませんでした。

 私は昨シーズンから、トップリーグのサントリーで「ディレクター・オブ・ラグビー」を務めています。今回は1月16日のシーズン開幕を前に来日し、都内のホテルで2週間の自主隔離中に抽選を見守りました。抽選結果にはとても複雑な気持ちだったというのが正直なところです。もちろん、対戦するのは楽しみだし、自分がコーチとして成功を収めたチームには親しみが湧くものですから。

 そうとはいえ、舞台はW杯。これはビジネスであり、私情は挟みません。

 日本では「死の組」と呼ばれているそうですが、どのプールも相当タフな戦いになるでしょう。その中でも、プールDにはコンタクトプレーで当たり負けせず運動量が多い、フィジカルの強いチームが集まりそうです。

 W杯で素晴らしい戦績を誇るアルゼンチンに加え、未定となっている2枠のうち、おそらくオセアニア枠ではトンガかサモアが入るでしょう。アメリカ枠では米国、カナダ、ウルグアイのいずれか。どのチームが入っても、最も激しい試合展開が予想されるプールになると思います。

 日本についてもお話しましょう。

 2015年に素晴らしい成功を収めて以来、ティア2の中でもトップレベルとなり、高まる周囲の期待に応えるべく前進しています。最近2度のW杯で、日本は非常にスピードのある緻密なラグビーを展開しました。ただ、どのチームも常に変化し、進化しています。他のチームは日本の戦い方に見慣れてきているので、敵の目を欺くようなアプローチも必要でしょう。

 それでも、アドバンテージになることはジェイミー・ジョセフHCの存在です。W杯を2大会連続で任され、チームのさらなる成長に必要なことが見えているはず。では、日本の成長に必要なものとは何か。

 私は「自信の継承」と「若手による底上げ」だと思います。

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エディー・ジョーンズ

THE ANSWERスペシャリスト ラグビー指導者

1960年1月30日生まれ。豪州出身。現役時代はフッカーを務め、ニューサウスウェールズ州代表。92年引退。教職を経て、96年に東海大コーチになり、指導者の道へ。スーパーラグビーのブランビーズなどを経て、01年豪州代表HC就任。03年W杯準優勝。イングランドのサラセンズ、日本のサントリーなどを経て、12年日本代表HC就任。15年W杯は「ブライトンの奇跡」と呼ばれる南アフリカ戦勝利を達成した。同年、イングランド代表HCに就任し、19年W杯は自身2度目の準優勝。近著に「プレッシャーの力」(ワニブックス)。

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