井上尚弥は米国でスターになれるのか 現役世界王者が語った“Fear Factor”の必要性
猛者が集う軽量級…“群雄割拠”の中で新たなスター候補最右翼は間違いなく井上
今年9月に行われた米国デビュー戦で井上は6回TKO勝利を飾ったが、相手のアントニオ・ニエベス(米国)の消極的な戦法もあって、特大のインパクトを残したとは言い難い。しかし、タイミングよくスーパーフライ級周辺に猛者が集まっていることもあり、2018年以降に再びチャンスが来るはずだ。
鍵は強敵との対戦を実現させ、その相手をエキサイティングな形で下すこと。例えば、WBC世界スーパーフライ級王者シーサケット・ソールンビサイ(タイ)、IBF王者ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)、あるいはWBO世界バンタム級王者ゾラニ・テテ(南アフリカ)ら著名どころと続けて対戦し、圧倒的な勝利を収めることができれば……。
パッキャオはもちろん、ゴンサレス、ガンボアといった軽量級の“中スター”に続くのも簡単なことではない。ただ、それができるとしたら、現時点での最有力候補は間違いなく井上のはずである。
◇杉浦大介
1975年、東京都生まれ。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、ボクシング、MLB、NBAなどを題材に執筆活動を行う。主な著書に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)、「イチローがいた幸せ」(悟空出版)。Twitterは(http://twitter.com/daisukesugiura)
【了】
杉浦大介●文 text by Daisuke Sugiura