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子どもの学習能力までUPさせる運動塾 20年で100種類、元プロボクサーが心血を注ぐ独自指導法

効果はボクシングの枠に収まらない、飯田氏「小学5年で野球チームに入った女の子が…」

 比較的遅い、大学からボクシングを始めた飯田氏にとって、世界王者になれたのはビジョントレーニングの効果が大きかった。周りの選手が幼少期に培った「見る力」が飛躍的にアップ。ただ、現在子どもたちが熱中するプログラムの効果は競技の枠に収まらない。卒業生でボクシングの道に進んだ子は「1割もいない」と笑う。

「様々なスポーツで『区の代表になりました』という話を聞きます。小学5年で野球チームに入った女の子が『6年生で試合に出たらいきなり完封勝利をした』みたいな。5年生からバスケットボールチームに入った子も、ボールを捕ること、判断することなどボックスファイのプログラムを代用できたことで、5年生のうちに区の代表に選ばれたこともありました」

 野球やバスケで区の代表になったり、ラグビーやアメフトで活躍したりした子もいたという。レベルや競技を問わず、様々な運動能力向上に繋がる結果に。知的障害の子も分け隔てなく、みんなで楽しんでいる教室だ。

 一方、現在の日本ではビジョントレーニングを「発達障害の子ども向けプログラム」と認識する人が多いという。だが、飯田氏は「自分の体をコントロールする力がつくことが第一。瞬発力や判断力、集中力が上がったという話をよく聞く」と強調する。世間一般で言う“運動神経”の向上はもちろん、集中力が磨かれることで学習能力UPにまで繋がる子も。競技の枠を越え、幅広い範囲で子どもの成長を支えている。

 現在は約80人の児童が通う。心血を注いできた飯田氏は、成熟したプログラムでも改良は忘れない。「社会に出るための土台作りというのもあります。ボックスファイで身につけたことが、社会人になっても生きることがあるようなので、これからもそういう教室でありたいですね」。唯一無二のプログラムは子どもの未来を変えていく。

(25日の第2回「運動会で順位をつけない現代っ子 運動能力UPに貢献、飯田覚士が作り上げたジム内の競争社会」に続く)

(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)

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