指導論の記事一覧
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変わろう、野球 筒香嘉智の言葉「子どもは大人の顔色を窺いながら野球をしている」
2019.04.22横浜DeNAベイスターズの主将であり主砲の筒香嘉智外野手。今季チームを21年ぶりの日本一に牽引するべく、日々の戦いに専念する大砲だが、オフには野球界の現状に危機感を抱き、未来ある子どもたちの可能性を守るべく、勇気ある発言を繰り返している。今年1月25日には日本外国特派員協会で会見し、約1時間に及ぶ質疑応答の中で真っ直ぐな意見をぶつけた。枠からはみ出ることを恐れない現役選手による発言は、野球界に一石を投じただけではなく、スポーツ庁の鈴木大地長官にも引用されている。
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本当のミスとは「チャレンジしないこと」 日本で4クラブを率いた外国人監督の信念
2019.04.17ランコ・ポポヴィッチは、2009年の大分トリニータを皮切りに、FC町田ゼルビア、FC東京、セレッソ大阪と4つのJリーグクラブを指揮した。いつも喜怒哀楽を全身で表現し「日本サッカーが発展していくためにも、しっかりと組み立て攻撃的に」という姿勢を曲げなかった。
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利き足を「自分の武器」と言えるか J監督の“異次元のボールタッチ”が与えたヒント
2019.03.31川崎フロンターレに技術的な改革をもたらしたのは、前監督の風間八宏(名古屋グランパス監督)だった。 茨城県つくば市で生まれ育った高崎康嗣は、筑波大時代の風間のボールタッチを見て驚愕したという。そんな風間が川崎のアカデミーで手本を見せると、ユースの選手たちも同じように目を丸くした。
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イニエスタが逆足で触るのは5%以下 “点で触る”利き足指導で磨かれた子供たちの感性
2019.03.25川崎フロンターレを率いて、U-12の世界一を決めるダノンネーションズカップに参加した高崎康嗣は、ここでプレーする大半の選手たちが、利き足に自分の最大値を引き出すポイントを持っていることに気づく。逆にサッカーが長く文化として根づく先進国では、子供たちが遊びの中からそれを習得してくるのだと確信した。実際に帰国して気の置けない仲間に、そのことを伝えると、彼らがさまざまなデータの収集に乗り出してくれた。
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正しいのは“両利き指導か利き足指導か” 日本人育成コーチが世界の舞台で覚えた違和感
2019.03.22高崎康嗣は、2006年から川崎フロンターレU-12の指導を始めた。3年目にはダノンネーションズカップ(小学生年代のサッカー日本一を決める大会)を制し世界大会に進出。だが世界で戦ってみて「ちょっと待てよ……」と、違和感を覚え始めた。
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「もっと良い選手が出なければおかしい」 スペイン人指導者が見る日本サッカーの問題点
2019.03.09日本サッカー協会(JFA)は、2050年に自国でワールドカップを開催し優勝すると宣言している。確かにプロリーグ創設以降は順調な右肩上がりを見せてきた日本サッカーだが、リノ・ロベルト、吉住貴士、スペインと日本両国の現場を知る2人の指導者は、日本の未来をどのように見ているのだろうか。
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日本人がスペインで苦戦する理由 現地指導者が指摘、小学生年代の「戦術指導の欠如」
2019.03.02欧州サッカーにおいて、これまで日本の選手たちはドイツ・ブンデスリーガではいくつもの成功例を生み、イングランドのプレミアリーグでは岡崎慎司(レスター)が、イタリアのセリエAでも中田英寿(当時ローマ)がリーグ優勝を経験した。
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「ダメなところ」を気にする日本の子供たち 指導者に必要な長所を伸ばす“褒め方”
2019.02.24リノ・ロベルトと吉住貴士。スペイン、日本両国の現場を知る2人の指導者の対談は、いよいよ第3回に突入。日本の育成現場の問題点を炙り出していく。
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「子供の指導は日本のほうが楽」 日本人コーチがスペインで感じた“悪い意味”での理由
2019.02.21スペインの育成事情と日本の部活を比較すると、最も異なるのが指導者と選手の関係である。スペインではプロの指導者が教えるが、日本は学校の先生が対峙するので対等ではない。
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ふんぞり返る姿は「指導者と言えない」 スペイン人監督が日本の育成現場に見た疑問
2019.02.17リノ・ロベルトは、約10年間に渡りスペイン協会に指導者向けの戦略セミナーを任され、アトレチコ・マドリードでU-16監督やU-18副監督の経験を持つ。元スペイン代表FWフェルナンド・トーレス(現・サガン鳥栖)やスペイン代表MFコケらのプレーは小学校低学年頃に見ており、一昨年3月に来日し埼玉県のジュニアユースチームでU-15監督を務めた。
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「監督が選手より興奮するのは当たり前」 日本代表・森保一監督とドイツ皇帝の共通項
2019.02.09現役時代は冷静沈着なプレーぶりがトレードマークだったフランツ・ベッケンバウアーだが、監督に転身するとベンチに座ることもなく、テクニカルエリアで別人のように喜怒哀楽を発散するようになった。その点では、日本代表の森保一監督と共通している。
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「冷静さを育てるのは環境」 “皇帝”ベッケンバウアーの言葉が示す日本の強み
2019.01.30フランツ・ベッケンバウアーは、ヨハン・クライフとともに20世紀の欧州を代表する名手で、キャプテンでも監督でもワールドカップを掲げている。かつて最終ラインの後ろに一人余るスイーパーという役割があったが、ベッケンバウアーは、その位置から自由に攻撃を構築し「リベロ」へと進化させた。現在ドイツでも絶賛されている長谷部誠の元祖ともいうべき存在で、常に背筋を伸ばして全体を見渡し、ゲームをコントロールしていくスタイルで「カイザー(皇帝)」と呼ばれた。
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なぜ、日本サッカーは南米が苦手なのか 乾貴士の恩師が指摘する“日本人の武道精神”
2019.01.28全国高校サッカー選手権で「セクシー・フットボール」のキャッチフレーズを掲げ、野洲が初優勝を飾ってから13年が経過した。だが当時の山本佳司監督の言葉の数々は、今でも新鮮に響く。
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日本の「パワハラ」って知ってますか エディーHCに問う、日本スポーツ界の“病”
2019.01.122018年の日本のスポーツ界を振り返ると、平昌五輪の金メダルラッシュ、サッカーワールドカップ(W杯)の躍進の裏で、脚光を浴びたのが「パワハラ問題」だ。アメフトの悪質タックルに端を発し、スポーツ指導の在り方を見直す気運が高まった。しかし、日本で「パワハラ」はなぜ起こるのか。指導者と選手の関係性で何が問題なのか。そのヒントを求め、ラグビーの世界的名将、イングランド代表ヘッドコーチ(HC)のエディー・ジョーンズ氏に考えを乞うた。
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野球とサッカーの「低く構えろ」指導の矛盾 内川聖一と宇賀神友弥が考えた走りの価値
2019.01.11年明け間もない5日。都内のオフィスビルの一角で、異色のイベントが開かれた。スプリント指導のプロ組織「0.01スプリントプロジェクト」が主催したトークイベント「0.01 LAB.」だ。「0.01スプリントプロジェクト」の代表を務めるアテネ五輪1600メートルリレー4位の伊藤友広氏と元陸上選手でスプリントコーチの秋本真吾氏とともに、プロ野球のソフトバンク・内川聖一内野手とサッカーJ1浦和DF宇賀神友弥がゲストで登場した。陸上、野球、サッカー。3つの異なる競技のトップアスリートが集結し、テーマとしたのは「走り」――。それぞれの哲学をもとにした激論が繰り広げられ、画期的イベントとなった。
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「流した汗は嘘をつかない」は”嘘” 来日6年の伊指導者が語る、日本の育成論の誤り
2019.01.09ACミランアカデミー千葉佐倉のテクニカル・ディレクターを務めるルカ・モネーゼは、明快に言い切った。「やればやるほど上手くなる。こうしたトレーニングに対する認識は間違っています。UEFA(欧州サッカー連盟)には、科学的な根拠に即して、心理学、栄養学なども含めて様々な見地から、成長過程の選手たちに適したトレーニングの研究を進めている人間がたくさんいます。限界を超えたトレーニングは、パフォーマンスを落とすだけではなく、テクニックもレベルも下げてしまう危険を孕んでいます。トレーニングで重要なのは“何をやったか”であり、“どれだけやったか”ではありません」
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大会乱立の高校サッカー 伊指導者が育成年代の酷使に警鐘「疲労溜め込むばかりでは…」
2019.01.02夏休みを終えると、ACミランアカデミー千葉佐倉のジュニアユースの選手たちは、逞しくなってピッチに戻ってくる。テクニカル・ディレクターのルカ・モネーゼには、近隣のチームの指導者たちが不思議そうに声をかけてくるそうだ。