箱根駅伝を走る基準は「月間750キロ」走破 創価大・榎木和貴監督が説く“距離を踏む”重要性
月間600キロの選手は「結果に波が出る」
――月間750キロを達成できるか否かで、走力に差が出てくるものですか。
「出てきますね。750キロを超える選手は、箱根を走る足ができてきますし、走力も伸びてきます。でも怪我やサボり癖のある選手、ポイント練習はするけどジョグをしない選手は、だいたい600キロくらいで止まるので、そのレベルだと結果に波が出てきますし、大事なところで走れないケースが多いですね」
――今年、その練習プランの成果はどのように捉えていますか?
「昨年までは5000メートルの13分台が年間で5人いればいいほうだったんですが、今年はすでに14名います。夏が終わって、絆記録会でうちが苦手としてきたスピードという部分で走力がどのくらい上がったのかを見た時、14分20秒前後の選手が13分台を出していました。全体的には上々で、ようやく箱根を戦うためのスタートラインについたなという感じです」
――就任1年目からの強化は、割とスムーズにきている感じですね。
「1年目は、箱根の予選会を突破しなければならないというところからスタートしたのですが、夏が終わって1万メートルで30分を切れる選手が何人いるのかなというレベルで、ハーフも63分台が1人いるか、いないかという感じでした。今は1万メートルで28分台が数名いますし、ハーフも63分台が10人以上います。5年前は予選会をようやく戦えるレベルだったのが、今は記録の水準が上がり、選手の質も高くなってきました。そういう意味では、5年前に比べるとチームも選手もだいぶ成長していると思います」
(佐藤 俊 / Shun Sato)