箱根駅伝に4年ぶり出場、大東大を変えた6か月 真名子圭監督が重視した「その場の5秒」
大学生の指導にも厳しさは求められる
――実際、大学に来て、高校から上がってきた学生に変化は見られますか。
「大学に来てみたら実際、個性を自分で伸ばしていくことができない子がけっこういます。それができる子は、競技力が伴っているんですよ。うちは、それができない学生が多かったから、これまで箱根を含めて駅伝に出場できない期間が長かった。大学生だから自主性に任せるのではなく、大学生でもできない子には言って教えていかないとダメですね」
競技力が高いということは、イコール自己分析ができており、自分の長所、短所を理解しているからこそトレーニングに集中し、自分磨きを進めていけるからでもある。仙台育英高の卒業生では、東京国際大に進学した白井勇佑(2年)、大東文化大の菊地駿介(3年)は監督が何かを言わずとも自分で練習を考え、伸びていった選手だという。
大学生になってからの成長度は、高校での教育によるところが大きい。選手としてのベースを築く期間は、自主性という甘い言葉によらない厳しさが求められると、真名子監督は考えている。
【第2回】箱根駅伝予選を1位通過、大東大“復活”の背景 真名子圭監督が選手に求め続けた意識改革
【第3回】「MARCHとは土台が違う」 大学駅伝スカウト事情、大東大監督が大切にすることは?
(佐藤 俊 / Shun Sato)