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「『心技体』は足し算にあらず」の真意は? 相撲・齋藤一雄が高校生に伝えたかったこと

相撲の技術は「頭で考えるよりも、体で覚えなければならない」

「うまく体が反応しない」「試合や稽古で勝てないとき、どう気持ちを切り替えてよいかわからない」……。次々に飛ぶ技術やメンタルの質問に対し、齋藤さんは何度も「自分で考える」大切さを説いた。

「相撲の技術というのは、頭であれこれ考えると一呼吸遅れてしまう。どうするか? 簡単に言うと、体で覚えなければいけない。それには稽古しかありません。その際、ただ単に、体で覚えるのではなく、どういうときは体が動き、動かなかったのかを考え、どう動くべきかを確認しながら反復することが必要です。

 気持ちの切り替えで大事なのは、自分がどこに向かって行動しているかです。いくら強い選手でも負けることは必ずある。勝ったときはどこがよかったのか、負けたときに自分は何がいけなかったのかを振り返り、やるべきことを考えて次に向かう。それでも負けたら、また必要なことを考える。その繰り返しです。負けるときは必ず理由がある。何がダメだったのかを考えて行動する習慣が大切だと思います」

 また、2年生になり、後輩の指導に悩む生徒に対しては、思いやりの気持ちの大切さを伝えた。

「教えるということは、自分が何を言ったかではなく、相手にどう聞こえたか、です。難しい言葉で説明しても意味がない。自分の伝えたいことが相手にわかるよう、きちんと説明してあげる。いかに理解してもらうかが大切です。

 人間の基本は、自分がされて嬉しいことをしてあげることだと思います。相手がどのように指導してもらえたら、言葉をかけてもらえたら嬉しいのかなと考え、優しさを持って接することが大事だと思います」

 そうやって、一つひとつ相撲を通して得たことは、必ず将来、役に立つ。学校を出た後、社会に飛び出す不安を口にする高校生に、齋藤さんは答えた。

「高校生活も一つの社会です。中学も小学校もそう。例えば、高校時代はお金を払って勉強をさせてもらっていた。社会人はお金をもらって仕事をする。違うように感じるかもしれませんが、特別変わることはありません。一生懸命できることを努力する。何をする必要があるのかを考えて行動する。それを、相撲を通じ、学んでいってほしい。どうしたら相撲が強くなれるのか、何が必要で、何をしてはいけないのか。優しさとは何か、それらのことを常に考え、行動することが、社会に出たときにおのずとつながります。相撲から今、様々なことを学んでいると思いますよ」

 人を思いやり、日々、鍛練を怠らず。人生に通じる『相撲道』に耳を傾けた60分。参加した約80名の高校生力士たちは、真剣な表情でジッと聞き入った。

「常に自分を支えていただく方々に感謝の気持ちを忘れず、1日1日を大切に過ごしてください。コロナ禍でも学べることはたくさんあります。このときがあったから今の自分があるんだと思えるような、時間を過ごしてください」

 齋藤さんの温かいエールの言葉の後は、参加者全員で記念撮影。それぞれがうちに秘めた思いを表すように、力強いガッツポーズを決めた。

■オンラインエール授業 「インハイ.tv」と全国高体連がインターハイ全30競技の部活生に向けた「明日へのエールプロジェクト」の一環。アスリート、指導者らが高校生の「いまとこれから」をオンラインで話し合う。授業は「インハイ.tv」で配信され、誰でも視聴できる。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、以上サンマーク出版)、『走りがグンと軽くなる 金哲彦のランニング・メソッド完全版』(金哲彦著、高橋書店)など。

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