西村優菜、150cmの身長に隠された凄み プロでも「なかなかできない」瞬間的技術とは
5勝・西郷真央が躍進した要因とは
西郷の躍進についても、北田は「小技の充実が要因」と指摘する。
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「昨季から強い選手でしたが、バーディーも取るけど、ボギーも多いスタイルで“粗さ”を感じていました。それが今季になって、ボギーが少なくなりました。ティーショットの精度が高くなったこともありますが、アプローチが抜群にうまくなった印象です」
現実に西郷のリカバリー率(パーオンしないホールでパー以内のスコアを獲得する率)は格段に上がっている。昨季は63.6496%で全体24位、今季は75.8427%で1位。北田は「オフの間、かなりの練習を積んだのではないでしょうか」と言い、自身の経験を明かした。
「アプローチは練習をすればするほど上達します。要はコツをつかむことです。私はショットが曲がらないタイプだったので、アプローチの練習量は少な目でした。ただ、プロ4年目の2005年にシード落ちし、コ―チの誘いで片山晋呉さんたちとの宮崎合宿に参加した時、目が覚めました。
理由は、片山さんが長い時間をかけてアプローチ練習をされていたからです。『これだけのトッププロが地味な練習をコツコツとしている。私も心を入れ替えなければ』と思い、その日からアプローチ練習に力を入れるようになりました。そして、自分でコツをつかみました。パットの不振は翌年も続きましたが、グリーンを外してもアプローチでピンそばに寄せられる。その自信がついたのは大きかったです」
西郷、山下に関しては20歳にして小技に絶対的な自信を持ち、西郷は「グリーン近くの風が読めない時は、敢えてグリーンを外すこともします」と話している。宮里藍さんも2人のマネジメント力を目の当たりにし、「私があの年齢の頃は、常にピンを狙っていました」と驚きを口にした。だが、北田は「今の選手の方がより攻撃的だと思います」と言った。
「ツアーのレベルが上がった今は、パーを重ねてばかりではダメな時代なので、選手たちは厳しいピン位置から逃げていない印象です。また、ショートサイド(ピンからグリーンエッジまでの距離が短い方のエリア側)に外した方が意外と寄せやすい状況もある。それも頭に入れつつ、守るプレーもできていることに感心します。以前は、『厳しい時はグリーンの真ん中に乗せておけば』という発想の選手が大半でしたが、UTやウッドでもピンを狙える力のある選手も多くなってきました。だからこそ、厳しい設定でも、6アンダー、7アンダーが出せていると感じます」