西村優菜、150cmの身長に隠された凄み プロでも「なかなかできない」瞬間的技術とは
「THE ANSWER」が各スポーツ界を代表するアスリート、指導者らを「スペシャリスト」とし、第一線を知る立場だからこその視点で様々なスポーツ界の話題を語る連載「THE ANSWER スペシャリスト論」。女子ゴルフでツアー通算6勝を挙げた北田瑠衣(フリー)は「THE ANSWER」スペシャリストの一人を務め、ゴルフ界のトレンドやツアーの評論、自身の経験談まで定期連載で発信する。
「THE ANSWER スペシャリスト論」女子プロゴルファー・北田瑠衣
「THE ANSWER」が各スポーツ界を代表するアスリート、指導者らを「スペシャリスト」とし、第一線を知る立場だからこその視点で様々なスポーツ界の話題を語る連載「THE ANSWER スペシャリスト論」。女子ゴルフでツアー通算6勝を挙げた北田瑠衣(フリー)は「THE ANSWER」スペシャリストの一人を務め、ゴルフ界のトレンドやツアーの評論、自身の経験談まで定期連載で発信する。
【注目】育成、その先へ 少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信する野球育成解決サイト『First-Pitch』はこちらから
今回のテーマは「新星からベテランまで活躍する2022年 北田瑠衣が前半戦で“凄い”と思った瞬間」。北田が見て感じた若手選手の技術力とマネジメント力、加えて一部のベテラン勢が成績の残せている理由などを語ってもらった。(文=THE ANSWER編集部・柳田 通斉)
◇ ◇ ◇
女子ゴルフの国内ツアーは、前週のニッポンハムレディスで前半戦の19試合を終了した。優勝者は西郷真央(5勝)、山下美夢有(2勝)、西村優菜(2勝)、サイ・ペイイン、堀琴音、上田桃子、植竹希望、高橋彩華、渡邉彩香、小祝さくら、稲見萌寧、木村彩子、青木瀬令奈の計13人。うち7人は、1998年度生まれ「黄金世代」以下の若手選手だ。
中でも、2001年度生まれ「新世紀世代」の西郷、山下の活躍ぶりは目を見張るが、北田は6月のニチレイレディスとニッポンハムレディスと制した身長150cmの西村に、“凄み”を感じているという。
「私はニチレイレディスでラウンドリポートを担当しましたが、グリーンは砲台で小さめでした。飛距離の出ない選手には難しいセッティングでしたが、西村さんは全身を使ってボールを止めていました。気持ちが乗っていたのもあると思いますが、インパクト、フォロー、フィニッシュにかけて体を少し後ろに引く動きで、長いクラブでもボールを高く上げ、スピンをかけていたのです。普段とは微妙に違うコースにアジャストしたスイングです。これは、なかなかできることではありません」
同大会の西村は3日間、ボギーなしでラウンドした。最終日は同じく首位タイで出た森田遥にリードを許すも、15番パー4で逆転。森田のボギー以上が確定した状況で、難しい下りのバーディーパットを決めた。ニッポンハムレディスでも、15番パー4で並んでいた野澤真央のボギー以上が確定した直後、長いスライスラインのバーディーパットを決めている。
「勝負どころのチャンスを逃さない集中力と、優勝を争う相手にダメージを与える駆け引きのうまさを感じました。彼女はアプローチ、パットが巧みですし、『もっと勝つ選手』と確信しました」