中野 吉之伴の記事一覧
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「乗り越えろ!」は大人のエゴ ドイツで感じた“子供らしさ”との向き合い方
2020.01.29年末にはドイツでもいろんな催し物がある。僕の子供たちも学校や所属クラブでのクリスマス会などで、12月の週末はスケジュールがどんどん埋まっていく。20年近くこちらで暮らしてきて思うのは、学校全体で何かをやったりという大規模なものではなく、それぞれのクラスだけ、それぞれのチームだけでこぢんまりとした集いをすることが一般的のようだ。
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日本の小学生は休めているのか ドイツで大切にされている連休中の「子供の時間」
2019.05.14日本では昔からよく言われている。誰でも知っている言葉のはずだ。しっかりと寝て、身体を休ませることが大事だと――。
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子供の興味をいかに引き出すか 日本の教育現場に勧めたいドイツ流「外部コーチ活動」
2018.04.27私の子供たちが通っているドイツの小学校では、外部コーチによる活動がある。いずれも週に1回1時間くらいの小規模なもの。人気が高いのがチェスだ。長男もやりたがっていたが、最初は順番待ちの状態。指導者一人が抱えられるキャパシティがあるので、それを超えての募集は基本的に行われない。半年くらい前にようやく空きが出たので、晴れて入れるようになった。
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ドイツの子供は「話を聞かない」 自己主張の先で育むチーム内のコミュニケーション
2018.04.143月から僕は息子がプレーするU-8チームで新しくコーチを務めることになった。ドイツに来てからの指導歴は15年になるが、これまではU-15やU-17、U-19と中、高校生年代をメインに見てきた。
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ドイツのサッカー大会で見た自然体の光景 「障害を抱えた子供」が仲間と決めたゴール
2018.03.23先日、息子の室内サッカー大会を観戦してきた。U-10の8チームが参加して、2グループに分かれてのグループリーグと最後に順位決定戦という形式だった。試合と試合の合間では子供たちは遊び出す。息子も友達と鬼ごっこを始めたので、僕は他チームの試合を見ることにした。
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子供はいつからサッカーに夢中になるのか 4年に一度のW杯が与える影響力
2017.12.23子供はいつからサッカーに夢中になるんだろうか。先日、次男の練習を見ながらチームメートのお母さんと話をしていた。
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指導者が子供たちと一緒にプレーする意義 時に必要な理屈抜きの真っ向勝負
2017.12.05サッカーのトレーニングで指導者が一緒にプレーすべきかどうかというのはよく議論されるテーマだと思うが、僕は極力一緒にプレーするようにしている。外からのほうが問題点を見つけやすいし、指摘もしやすい。でも、特に小学生までの子どもたちはコーチと一緒にプレーしながら、いろんなことを学ぶことができると思う。
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子供に“ヒント”と“安らぎ”を― 育成年代の指導者に求められる「距離を縮める」慧眼
2017.11.25ふと思い出した話がある。以前、ある年配のドイツ人指導者らと会食をしていた時のことだ。他愛のないことをみんなでわいわい話していると、1人の男性がふいに、最近入ってきた若い同僚が使えないと、職場での愚痴を吐露し始めた。
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スポーツとはレベルや成績が全てではない “戻ってこられる場所”がある大切さ
2017.10.31ドイツのU-9年代にはまだリーグ戦がなく、近隣数クラブでのワンデー総当たり戦という形で試合が行われるのが一般的だ。1試合は10分で各チーム1日4~5試合。GKを入れて5対5、30m×20mのコートを3~4つ設置して試合をさばくので、大体2~3時間でおしまい。1~2週間に1回の頻度で、各クラブ持ち回りで開催される。
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子供の“軽いプレー”と向上心の相関性 才能の芽を潰さない「見極める力」とは
2017.10.21「日本サッカーの父」と呼ばれるデットマール・クラマーさんから、子供の向上心をプレーから判断するという話を聞いたことがある。
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子供の「楽しい」は鵜呑みにできない ドイツの育成現場で繰り返される試行錯誤
2017.10.09今季から小学1年生の次男はFユーゲント(U-8)。ドイツでは生まれ年でチーム分けが行われるので、小学1年生と2年生が一緒になる。最初の練習時にコーチが子供たちにこんなことを言っていた。
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幼稚園児が楽しくサッカーをする環境とは ドイツで最適化されたルールと開催方式
2017.09.29小さな子供たちがボールを追いかけて走り回る。ぶつかって転んで、立って走って、泣いて笑って怒って喜んで。みんながサッカーに夢中になっている、そんな風景ってとても素敵だ。いつまでも眺めていたい。だからそうした風景を子供たちが見られるように、大人は環境を準備してあげることが大切だと思う。
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「いろいろ言われたら下手になっちゃう」 練習後にハッとさせられた我が子の言葉
2017.09.22先日、次男のトレーニングに付き添っていた時の話。夏休み明け最初の練習日とあって、グラウンドに着くとみんな練習前から思い思いに楽しそうにボールを蹴っていた。
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練習後の会話で大切なこと ミスを指摘する以上に子供が得た「成功体験」の共有を
2017.09.15夏休みもそろそろ終わりを迎える8月末、僕は長男が参加したSCフライブルクユースアカデミー主催のサッカーキャンプを見学しに、フライブルク市の郊外に位置するSVオプフィンゲンというクラブを訪れた。グラウンド脇にはきれいに改装されたカフェレストランが併設され、美味しいミルクコーヒーを堪能しながら、子供たちが笑顔でボールを蹴っている様子を楽しんだ。
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「プレーする喜び」をいかに伝えるか 町クラブの試合で聞いたユニークな“叫び声”
2017.09.07普段フライブルクで指導者をしている僕にとって、他の地域の子供たちのサッカーを見るのはとても楽しい。それは同じドイツでも、それぞれの地域に、それぞれの特徴があるからだ。サッカー的にもダイナミックさを重視する地域があれば、技術を大切にする地域もある。でも共通して言えるのは、怒鳴り散らす指導者がいない、ということだ。
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エースの移籍に思う子供の「進路選択」 選手を成長させる“最適な環境”とは
2017.08.29思わぬ知らせに、ソファーに座っていた僕は立ち上がって驚いた。ユリアンとは、僕が指導するU-15チームのエースで、絶対の信頼を寄せていた選手だったからだ。今季のキャプテン候補でもあり、そんな素振りを全く見せていなかったので、最初は何かの間違いだと思ったほどだ。