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子供の“軽いプレー”と向上心の相関性 才能の芽を潰さない「見極める力」とは

「日本サッカーの父」と呼ばれるデットマール・クラマーさんから、子供の向上心をプレーから判断するという話を聞いたことがある。

【連載コラム】ドイツ在住日本人コーチの「サッカーと子育て論」――子供の向上心を潰さない指導

「日本サッカーの父」と呼ばれるデットマール・クラマーさんから、子供の向上心をプレーから判断するという話を聞いたことがある。

 ある日のこと、散歩をしている時に、家の近所でお父さんとボールを蹴り合っている子を見かけたクラマーさんは、その子供に「ボールを蹴ってみて」と声をかけたという。子供は少し戸惑いながらもクラマーさん目がけてボールを蹴ると、クラマーさんはそのボールを正確にコントロールし、寸分違わぬところにボールを蹴り返したそうだ。

 そして父親の方をくるっと振り向くと、「見ましたか。彼には才能があります」と言ったという。突然そんなことを言われた父親が、慌てて「なぜ分かるのです?」と聞くと、「彼がどうやって蹴ってきたかを見ましたか? 彼はただ蹴るのではなく、あえてアウトサイドで私にボールを蹴ってきました。それは難しいことに挑戦しようとしている気持ちの表れです。才能がある」と話し、また一人散歩へと戻っていった。

 ドイツでもかつて、チャレンジそのものを否定する風潮があった。アウトサイドパスなどは「軽いプレー」としてすぐに指摘されていた。攻守に体を張ったプレーをする、1試合の間走り続ける、積極的に1対1を仕掛けていく――サッカーにおいて、そうした姿勢が大切なのはもちろんだ。しかし、それだけでは上手くいかないという事実もある。

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中野 吉之伴

1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。

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