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男性と女性が一緒に競い合う車いすラグビー 性別にこだわらない倉橋香衣の生き方

「自分にできることをやっていきたい」と倉橋は語る【写真:日本車いすラグビー連盟提供】
「自分にできることをやっていきたい」と倉橋は語る【写真:日本車いすラグビー連盟提供】

性別は気にならなくても、ふと沸いてくる女性特有の悩み

 男女差はあまり気にならないとはいえ、女性ならではの悩みはある。「合宿中に生理がかぶることが結構あったので、そういう時に男性はいいなと思います(笑)」。着替えは会場や練習場によってはやむを得ず車いす用トイレを利用することもあるが、大会中に時間のない時は男性に交じって着替え、逆に男性選手を怯ませることも。「これは私の性格によると思うんですけど……」と笑いながら、こう続けた。

「私は天気の話をする感覚で男子選手にも体調について話をするので、逆に『ちょっと分からないけどドンマイ』って励まされることもあります(笑)。ただ、他の女子パラアスリートから『ちょっと聞きたいんだけど……』と声を掛けられることもあるので、車いすラグビーも女子選手がもっと多ければ、女性ならでは悩みも相談しやすいのかもと感じますね」

 車いすで速く走れたり、力強いタックルができる男子選手を羨ましく感じたことはあるが、女性である事実は変わらない。「女性であること。それを強みにするしかないんで」。

 今年は10月にデンマークで世界選手権が予定されている。4年に一度の開催で、前回大会で優勝した日本はディフェンディングチャンピオンとして連覇を狙う。日本代表はすでに始動。倉橋は「自分もチームの一員として、一日一日を大切にトレーニングして、自分にできることをやっていきたいと思います」と目を輝かせる。

 男性も女性も関係ない、一人の選手としてチームのために何ができるか。倉橋の車いすラグビー選手としての道はまだまだ続く。

(後編へ続く)

■倉橋 香衣 / Kae Kurahashi

 1990年9月15日生まれ、兵庫県出身。中高時代は器械体操に励み、教師の道を志して文教大(埼玉)に進学。トランポリン部に所属したが、3年生の時に練習中の事故で頸髄損傷。鎖骨より下の感覚がほぼなくなり、車いす生活になった。大学復学を目指してリハビリに励む中、車いすラグビーと出会い、その虜に。2017年には日本代表に唯一の女子選手として選出され、2021年東京パラでは銅メダル獲得に貢献。クラブチームAXE所属。

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(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)


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