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企業女性リーダー400人の94%が元アスリート 女子選手の起業家育成支援にEYが関わるワケ

アカデミーの1期目を実施し、素晴らしいスタートを切ったと話す佐々木さん【写真:回里純子】
アカデミーの1期目を実施し、素晴らしいスタートを切ったと話す佐々木さん【写真:回里純子】

アカデミー1期生から発言は活発「日本の女性アスリートも変わってきている」

佐々木「『グローバル・メンタリングプログラム』は、WABNの柱と言っていいと思います。グローバルのWABNプログラムには毎年、世界各国から選ばれた20名の女性アスリート(現役・引退は問わず)が参加しているのですが、彼女たち一人ひとりにメンターがつき、キャリア転換のためのアドバイスを受けられます。このプログラムによって、アスリートたちはビジネスリーダーや起業家、トップアスリートとの人脈を広げながら、ビジネス界での成功に必要なスキルのヒントを得ることができます」

井本「WABNプログラムは、グローバルでは2016年リオデジャネイロ五輪の時、日本では2018年の平昌五輪の時にローンチされましたが、今はグローバルのWABNとは異なる形態の、日本独自の『WABNアカデミー』として開催されているんですよね」

佐々木「そうです。まず、2016年から、日本人の女性アスリート数名をグローバルのプログラムに参加してもらうようにしました。でも、残念ながら語学力の問題で、毎年応募者数が少なかった。それで2018年に、日本でWABNプログラムを開始したんです」

井本「それは現在のWABNアカデミーとは別のプログラムでしょうか?」

佐々木「そうです。最初の2年間(19~20年)は、日本人アスリートの間に、WABNプログラムについての認知度が低かったので、まずは現役・引退は問わず、誰でも聴きに来られるスキル育成ワークショップを、パイロット・プログラムとして開催していました。これは四半期に1度程度開催していましたが、1回に20人程度の女性アスリートたちが参加してくれました。

 その際、WABNプログラムに登録してくれた女性アスリートとEYジャパンのメンターをペアにして、メンタリング・プログラムも始めました。東京2020の開催も近づいていたため、そうやって認知度を高めてきました」

井本「そして2021年、東京五輪・パラリンピック終了後、WABNアカデミーを日本でスタートさせました。なぜ、日本ではグローバルと同じ形態ではなく、アカデミーという形でWABNプログラムをスタートすることに踏み切ったのでしょう?」

佐々木「2年間、オープンのワークショップを開催してきましたが、続けて参加するアスリートは多くはなく、大きなインパクトを生み出せなかったんですね。そこで、オープン開催ではなく、参加者のターゲットを絞り6か月間継続して行う方向に舵を切りました。

 WABNアカデミーの開設をアナウンスすると、たくさんの女性アスリートたちが応募してくれました。そこから、書類とインタビューの選考プロセスを経て、ビジネス分野への進出やリーダーシップスキルの向上に意欲的な10人の女性アスリートを選出しました。6か月間のプログラムで、今年の1月からリーダーシップスキル育成を行いました。

 内容はグローバルのプログラムとほぼ同じですが、日本向けにカスタマイズしています。EYジャパンのプロフェッショナルらが講師を務めるセッションと、 1対1 のメンタリングを通じて、ビジネス界で必要とされる実践的なスキルを学ぶことができます」

井本「実際、アカデミーの1期目を実施してみて、参加者の反応はいかがですか?」

佐々木「すごく良いですよ! この1期生は本当に素晴らしいグループです。セッションは原則月1回の開催ですが、皆、とてもアクティブで、たくさん発言もします。実は私、始まる前までは参加者の皆さんがあまり発言しないのではないかと、少し心配していたんです。でも、日本の女性アスリートたちも、新しい世代は変わってきているんですね。素晴らしいスタートを切りました」

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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