21歳で初めて来た生理 元日本代表・岡部紗季子が語る「体操選手と思春期」の闘い
「やっぱり、体重は増えやすくなりました」、平均台が安定せず競技に影響も…
「全然、負担は違いました。なかなか集中できないし、当然、生理痛もあるし、だるさは常にあった。体の感覚でいえば、プールを上がった後みたいに、ふわふわした感じがある。バランス感覚が問われる平均台で、いつものようにバシッといかず、安定しない感じがありました」
対処法として、ピルの服用があった。時期をずらすことができ、大会と重なる場合など、リズムをコントロールすることができる。代表合宿で「気になるならピルを出せます」と説明を受けたこともあったが、副作用の知識などがなかった当時は抵抗もあり、実際に使うことはなかった。
生理の一般的な傾向の一つが、体重が増えやすくなること。生理前は食欲が増進し、同じように食べていても体重が増えてしまうことは珍しくない。制限が厳しい体操選手にとっては死活問題だ。
「やっぱり、体重は増えやすくなりました。500グラムとか。意外と今日、重かったなと感じることがありました。普段からすごく気をつけていたのに、それでも変わっちゃうんだなという。体重管理はつらい部分の一つでした」
フィギュアスケートなど10代前半から活躍する競技のように、体操界でも思春期による体の変化が成績に影響する例もあった。
「高校生から大学生にかけて、急激に成績が落ちる選手はたくさんいます。大学に入って環境が変わったことが原因になる場合もありますが、思春期で明らかに太ってしまうことがあり、体の変化はすごく大きい。どうしても体型は変わってしまうイメージはあります」
岡部さん自身、生理痛などの苦労に悩むこともあったが、練習と重なっても休むことはなかった。