燃え尽き症候群の予防にも必要 女子選手のコンディションの指標になる3つの数値
スポーツを習い始めたばかりの小学生、部活に打ち込む中高生、それぞれの高みを目指して競技を続ける大学生やトップカテゴリーの選手。すべての女子選手たちへ届ける「THE ANSWER」の連載「女性アスリートのカラダの学校」。小学生からオリンピアンまで指導する須永美歌子先生が、体やコンディショニングに関する疑問や悩みに答えます。第24回は「コンディションの指標になる3つの数値」。
連載「女性アスリートのカラダの学校」第24回―「コンディションの指標になる3つの数値」
スポーツを習い始めたばかりの小学生、部活に打ち込む中高生、それぞれの高みを目指して競技を続ける大学生やトップカテゴリーの選手。すべての女子選手たちへ届ける「THE ANSWER」の連載「女性アスリートのカラダの学校」。小学生からオリンピアンまで指導する須永美歌子先生が、体やコンディショニングに関する疑問や悩みに答えます。第24回は「コンディションの指標になる3つの数値」。
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トップアスリートの方にコンディショニングについての話を伺うと、「自分の体と向き合う」という言葉がよく出てきます。「体と向き合うってどういうことだろう?」と思われるかもしれませんが、学生アスリートの皆さんも毎日、何度も体と向き合っています。
例えば、ストレッチの際に「今日はココがかたいな」と感じたり、練習中に「いつもより息が上がりやすいな」「体が重いな」と感じたり。意識したことがなかったかもしれませんが、それらの一つひとつの気づきも、「体と向き合う」ことの一つです。
ただ、コンディションの変化をみる際、「自分はどう感じているか」だけでなく、体調を数値で「見える化」し、客観的に向き合うこともとても大切です。なぜなら、たとえ体調が悪くても「調子が落ちているのは自分のせいだからもっと頑張らないと」「今は大事な時期だから休めない」など、気持ちの強さが上回り、体が発するSOSに気づけないこともあるからです。
コンディションの指標となる主な数値は3つあります。
1つ目は「体重」。体重を継続して計っていくと、自分は何kgのときに調子がいいのか、あるいは悪いのかがわかるようになります。2つ目は「基礎体温」。女性アスリートは基礎体温を計ることで、生理のサイクルを把握できます。すると、パフォーマンスに悪影響を及ぼさないよう、月経周期にともなう痛みや不調に対して事前に対策を講じたり、気持ちを持っていったりができるようになります。
そして3つ目は、「心拍数」です。心拍数とは1分間に心臓の筋肉が伸長と収縮を繰り返す(拍動)数のこと。簡単に言うと、心臓が1分間に「ドキン、ドキン」とする回数を指します。
心拍数は運動強度が高くなるほど多くなるほか、緊張したり、怒ったりしても増えます。また疲れていたり、寝不足だったりしても、心拍数は高くなるため、アスリートにとっては体調の指標になるのです。