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世界の大谷翔平から3球三振を奪った電気技師 チェコ投手をビギナーズラックと言えない理由

連日熱戦が繰り広げられる野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。「THE ANSWER」では、多くのプロ野球選手を含め400人以上が参加するパフォーマンスアップオンラインサロン「NEOREBASE」を主宰し、最速155キロを投げる自身を実験台にしてピッチング理論やトレーニング理論を発信するピッチングストラテジスト・内田聖人氏が、独自の目線で世界の投手を分析する。今回はチェコ代表のオンジェイ・サトリア投手。11日の日本戦に先発し、120キロ台の直球と110キロ台のチェンジアップのほぼ2球種で侍ジャパン打線を幻惑した。2回まで無失点。3回に捕まったが、大谷翔平投手から3球三振を記録するなど4三振を奪い、3回5安打3失点であっと言わせた。「日本の打者が遅い球に慣れていないだけ」という理由じゃない、投手としての大切な技術を内田氏が語った。(取材・構成=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

日本戦に先発したオンジェイ・サトリア【写真:ロイター】
日本戦に先発したオンジェイ・サトリア【写真:ロイター】

WBC世界の投手たちをピッチングストラテジスト・内田聖人氏が分析

 連日熱戦が繰り広げられる野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。「THE ANSWER」では、多くのプロ野球選手を含め400人以上が参加するパフォーマンスアップオンラインサロン「NEOREBASE」を主宰し、最速155キロを投げる自身を実験台にしてピッチング理論やトレーニング理論を発信するピッチングストラテジスト・内田聖人氏が、独自の目線で世界の投手を分析する。今回はチェコ代表のオンジェイ・サトリア投手。11日の日本戦に先発し、120キロ台の直球と110キロ台のチェンジアップのほぼ2球種で侍ジャパン打線を幻惑した。2回まで無失点。3回に捕まったが、大谷翔平投手から3球三振を記録するなど4三振を奪い、3回5安打3失点であっと言わせた。「日本の打者が遅い球に慣れていないだけ」という理由じゃない、投手としての大切な技術を内田氏が語った。(取材・構成=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

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 164キロを投げた佐々木朗希投手と、緩い真っすぐとチェンジアップを投げたサトリア投手。30キロ以上の球速差がある対照的な2人の先発投手が印象に残りました。

 大谷投手からも空振り三振を奪ったサトリア投手は、投球のほとんどが真っすぐとチェンジアップの2球種。チェンジアップはフォーシーム系のチェンジアップでした。球速は110キロ台前半、真っすぐとほぼ同じ回転でタイミングを外すタイプ。真っすぐ自体も120キロ台という日本で投げる投手がいない球速帯です。

 ただでさえ待ちづらい球種なのに、サトリア投手はチェンジアップを真っすぐと同じ回転で、しかもしっかりと腕を振って投げていました。

 当然、日本のトップレベルの打者なので、普段対戦する投手より球が来ないのは分かっています。そんな情報は必ず共有するし、みんな意識しているはず。それでも同じような発射で、同じような回転で、同じような軌道で来るから、真っすぐより10キロ遅いだけで(タイミングが)抜かれてしまう。

 要するに球の変化(縦横)よりも奥行き(前後)で勝負するチェンジアップ。日本で代表的な投手で言うと、金子千尋投手(元日本ハム)です。日本ハムの選手に聞くと「キャッチボールをしていてもあのチェンジアップは凄い」と聞きます。「ボールが来ない」という感覚。ある意味、それは縦横の変化よりも凄いこと。

 サトリア投手の場合、「日本の打者が遅い球に慣れていないだけ」と思われるかもしれませんが、日本の打者を翻弄できた理由は、それだけではないと思います。

 もし、軽く投げた120キロだったら日本の打者は簡単に打ってしまうと思います。繰り返しますが、しっかりと腕を振って、チェンジアップを真っすぐと同じような発射で、同じような回転で、同じような軌道を通している。これは投手として、大切な技術であるということです。

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