女性誌で見かける「ながら運動」に注意 通勤時間を最大限生かすダイエット法は?
仕事に追われる毎日で、まとまった運動をする時間を確保するのは難しいもの。通勤通学の時間を生かし、ダイエット&筋トレに効く運動はないのか。中野氏は「“ながら痩せ”に唯一効果的」という方法を指南してくれた。
連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」
忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」。フィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソンに向け、健康増進や体作りのアドバイスを送る。
仕事に追われる毎日で、まとまった運動をする時間を確保するのは難しいもの。通勤通学の時間を生かし、ダイエット&筋トレに効く運動はないのか。中野氏は「“ながら痩せ”に唯一効果的」という方法を指南してくれた。
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雑誌、特に女性誌の特集でよく見かけるダイエット特集の一つに、「ながら運動」があります。掃除をしながら、テレビを見ながら、料理をしながら、ちょっとした運動をすることで効率良く痩せましょう、という内容です。
忙しい現代人にとっては飛びつきたくなるアイデアですが、読んでみると、痩せるのはまず無理だろうな、という内容ばかり。よくある例でいうと「掃除機をかける時は思い切り腕を伸ばし、腰をしっかり沈めて、筋力トレ&脂肪燃焼!」。この程度ではまず、脂肪は燃えません。もしもこれで体が変われるならば、バッグに500mlのペットボトルを入れて持ち歩くだけで筋肉ムキムキになれるでしょう。そんな簡単に筋肉がついたら、私たちトレーナーは、この世に必要ありませんよね!
率直に言うと、「ながら痩せ」のように“何かのついでに”動く程度では、筋肉を破壊するほどの負荷はかけられないし、劇的に活動量が上がることもありません。やはり体を変えたいならば、筋肉の組織を壊すほどの強い刺激(負荷)を、漸進的に継続して与える“運動”が必要なのです。
例えば、通勤時間のながら運動で代表的な、「いつも利用する駅の一つ前の駅で降りて、家または仕事場まで歩きましょう」という方法。平地を歩ける体力のある人にとって「ただ歩く」だけでは刺激不足。1駅区間の距離が短い都内ならばなおさら、効果は望めません。
これを歩きではなくランニングにすれば、いつもと異なる強い刺激を体に与えられるので、体も変化します。「走るのは無理です」というのであれば、せめて“運動”としてのウォーキングに挑戦を。手足を大きく動かし、軽く息が弾むスピードでキビキビと歩く。汗がにじみ、ちょっと苦しいなと感じる強度設定が大事です。