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開頭手術を乗り越えて 不屈の男・土佐誠が、三菱重工相模原と目指す歴史的な1勝

日本ラグビーにおける最高峰リーグ、ジャパンラグビートップリーグが12日、2019-2020シーズンの開幕を迎える。昨年のワールドカップ(W杯)開催に伴い、1月12日から5月9日までの期間に全16チームが総当たり戦を行い、優勝を争う。今季はトップチャレンジリーグから2チームが昇格。その1つが2007-2008シーズン以来、12年ぶりのトップリーグ復帰を果たした三菱重工相模原ダイナボアーズだ。

三菱重工相模原ダイナボアーズの土佐誠【写真:荒川祐史】
三菱重工相模原ダイナボアーズの土佐誠【写真:荒川祐史】

活動自粛のラグビー部再建、てんかん開頭手術… 試練を乗り越えた土佐の現在地

 日本ラグビーにおける最高峰リーグ、ジャパンラグビートップリーグが12日、2019-2020シーズンの開幕を迎える。昨年のワールドカップ(W杯)開催に伴い、1月12日から5月9日までの期間に全16チームが総当たり戦を行い、優勝を争う。今季はトップチャレンジリーグから2チームが昇格。その1つが2007-2008シーズン以来、12年ぶりのトップリーグ復帰を果たした三菱重工相模原ダイナボアーズだ。

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 キャプテンとしてチームを率いるのは、FL(フランカー)やNO8(ナンバーエイト)を務める土佐誠。関東学院大、NECと進んだトップリーグ経験者で、三菱重工相模原では3シーズン目を迎える。

 土佐が歩むラグビー人生は、文字通り、波瀾万丈だ。いくつもの試練を乗り越えてきた「のに」なのか、乗り越えてきた「から」なのか、土佐には他人が真似できないような泰然自若とした雰囲気が備わっている。穏やかな口調で事もなげに振り返るが、ラグビーを辞めてもおかしくない大きな試練を2度乗り越えた不屈の男だ。

 最初の試練は、強豪・関東学院大3年生の時だった。ラグビー部員が合宿所で大麻を栽培し、逮捕されるという事件が起きた。当時、関東学院大は隆盛を極め、前年には大学日本一を獲得。いざ連覇、というところで、まさに青天の霹靂だった。

「ずっとテレビで見ていた常勝チームの一員になれて、これから3連覇を目指そうという時に大麻事件が起きてしまった。『大麻って何?』と訳が分からないまま、あれよあれよという間に活動自粛。当時の4年生は事実上の引退となって泣いているところで、来年はお前がキャプテンだからって言われたんです。え?って感じですよね(笑)」

 今でこそ笑いながら話せるが、当時は笑い事ではなかった。1年生から4年生まで総勢160人近い大所帯。ただでさえ1つにまとめることは至難の業なのに、事件でチームは空中分解寸前。いや、もしかしたら分解していたかもしれない。「犯人をはっきりさせよう」「ラグビーをやる気になれない」「こんなチームでやりたくない」……。いろいろな声が聞こえる中で、土佐はできる限り全員の話に耳を傾け、「なるべく多くの選手がハッピーに活動を再開できるように」手を尽くした。この時、頭から離れなかったのは、志半ばで引退した先輩たちの姿だった。

「突然引退することになった4年生が泣いている姿を見ていたので、すっきり再始動したい想いが強くて。世間では20歳以上は大人の扱いを受けるべきだからしっかりしようと、僕なりに本当に一生懸命にやったつもりです。それでも、多種多様な人間をまとめる側の大変さは、その時に初めて分かりましたね」

 新年度を迎えてチームは再出発するが、リーグ戦では3位、大学選手権は1回戦負けと、思うような結果は残せなかった。いまだに申し訳なさそうな顔で「あれだけの伝説的なチームを落としてしまったのが、すごく心残りです」と話すが、あの時、土佐がチームの先頭に立って一歩を踏み出さなければ、関東学院大ラグビー部が紡ぐ歴史は現在まで繋がらなかっただろう。

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