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「東の横綱」から「令和の一人横綱」へ 桐蔭学園、選手自ら考えるミーティングで掴んだ頂点【高校選抜ラグビー】

全国高校選抜ラグビー大会の決勝が31日、埼玉・熊谷ラグビー場で行われ、桐蔭学園(神奈川)が2年ぶり5度目の優勝を果たした。初優勝を狙う京都成章(京都)と対戦した桐蔭学園は前半を10-0で折り返すと、後半4トライを奪い36-0と完勝。「東の横綱」から「令和の一人横綱」へ、強さの秘密は試合前のミーティングにもあった。

全国高校選抜ラグビーで5度目の優勝を果たした堂薗尚悟主将(前列左から2人目)ら桐蔭学園の選手たち【写真:編集部】
全国高校選抜ラグビーで5度目の優勝を果たした堂薗尚悟主将(前列左から2人目)ら桐蔭学園の選手たち【写真:編集部】

全国高校選抜ラグビー大会

 全国高校選抜ラグビー大会の決勝が31日、埼玉・熊谷ラグビー場で行われ、桐蔭学園(神奈川)が2年ぶり5度目の優勝を果たした。初優勝を狙う京都成章(京都)と対戦した桐蔭学園は前半を10-0で折り返すと、後半4トライを奪い36-0と完勝。「東の横綱」から「令和の一人横綱」へ、強さの秘密は試合前のミーティングにもあった。

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「今年のチームは、ミーティングの質が悪くてダメですね。大人が介入する場面が何度かあった」。藤原秀之監督の言葉が、桐蔭学園らしさ、自ら考えてプレーするチームの強さを表していた。

 高校部活のミーティング、イメージされるのは監督やコーチングスタッフが指示を出し、それを選手が聞く図だろう。しかし、桐蔭学園は違う。基本的に藤原監督やスタッフは口を出さない。材料は与えても、話し合いそのものは選手に任せるのが「桐蔭学園流」だ。

 今年正月、全国高校大会(花園)2連覇を果たしたチームからスタメンの11人が抜けた。新チームは2月の神奈川県新人大会決勝で東海大相模と引き分け、優勝した関東大会も「神奈川2位」での出場だった。持ち前のミーティングも迷走。「うまくいかなかった」と、この日2トライと活躍した副将のCTB坪井悠(2年)は話した。

 新チームのミーティングは、前年のものを踏襲していた。強かったチームと同じようにやれば勝てると考えたからだ。「まず試合に向けてテーマを決め、それに沿って自分たちのゲームプランを決めていた」と坪井。ところが「テーマはあっても、何をやったらいいか、何をやるべきか、分からなかった」と苦悩を明かした。

 藤原監督の「介入」もあって、ミーティングの方法を大会中に根本から変えた。「まず、ポジションごとに次の試合に向けてやりたいこと、やるべきことを話し合った」と坪井。各グループの意見をゲームプランに落とし込み、チーム全員が共有した。時間はかかるが、これでやるべきプレーが整理され、明確になった。

 1回戦は初出場の早稲田佐賀(佐賀)を57-15で破ったが、2トライを奪われるなど厳しい内容だった。ミーティングの形をかえた2回戦は常翔学園に46-33と逆転勝ち。準々決勝では2月に引き分けた東海大相模(神奈川)に43-17で快勝し、準決勝は御所実(奈良)に17-0で完封勝ちするなど効果が表れてきた。

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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