WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ前日計量

　ボクシングのWBA世界スーパーフライ級（52.1キロ以下）タイトルマッチ12回戦が24日、東京・大田区総合体育館で行われる。23日は都内で前日計量が行われ、挑戦者の前WBO同級王者・井岡一翔（志成）は52.0キロで一発パスしたが、王者ジョシュア・フランコ（米国）は55.2キロと大幅超過。再計量も55.0キロで王座剥奪となった。両者は試合開催に合意したが、意図的超過を疑われるほどのオーバー。しかし、関係者は「それは考え難い」と否定した。

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　騒動が続く興行となった。先に登場したのは王者フランコ。登壇後も笑顔を浮かべ、午後0時22分に計量台に乗った。しかし、その瞬間に関係者が「オーバー」と宣告。リミットを3.1キロも上回る55.2キロの大幅超過だった。会場は騒然とした一方、井岡は52.0キロで一発クリア。陣営から拍手が沸き起こった。

　日本開催の世界戦では、2018年3月にWBC世界バンタム級王者だったルイス・ネリ（メキシコ）がリミット53.5キロを2.3キロオーバー（再計量は1.3キロ超過で試合開催）。フランコの3.1キロはネリを超える史上最大幅だ。

　フランコには2時間の猶予が与えられたが、残りの体重を落とす前に井岡とともにグラブチェックと会見に臨んだ。会見中も笑みを浮かべ、減量に余裕があった様子。「できることはやったので楽しみにしている」と悪びれることはなかった。会見後に減量に臨んだとみられるが、午後2時10分頃の再計量は55.0キロ。2時間弱で200グラムしか変わらず、会場の報道陣や関係者は失笑した。

　本人の申し出により、午後2時22分の制限時間まで残り9分でギブアップ。計量失敗により、王座剥奪が決まった。計量前の検診では、フランコは体温36.4度、血圧125/95、脈拍47のリラックスそのもの。減量でヘロヘロの場合は何らかの変化がみられることがあるが、担当ドクターから「異常なし」と発表された。