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井上尚弥が達成した「4団体統一」って何? 証明した「結局、誰が一番強い?」の答え

ボクシングのWBAスーパー&IBF&WBC世界バンタム級(53.52キロ以下)3団体統一王者・井上尚弥(大橋)が13日、東京・有明アリーナでWBO世界同級王者・ポール・バトラー(英国)との4団体王座統一戦に臨み、11回1分9秒KO勝ちした。軽量級初、アジア人初、世界9人目の4団体王座統一の快挙に加え、世界初の「4団体全KO奪取」の大偉業を達成。しかし、ボクシングがよくわからないライト層にはピンと来ない「4団体統一」はいったい何が凄いのか。改めて解説する。

4団体統一を達成し、4本のベルトを巻く井上尚弥【写真:荒川祐史】
4団体統一を達成し、4本のベルトを巻く井上尚弥【写真:荒川祐史】

アジア人初&世界9人目の快挙、「4団体統一」は何が凄いのか

 ボクシングのWBAスーパー&IBF&WBC世界バンタム級(53.52キロ以下)3団体統一王者・井上尚弥(大橋)が13日、東京・有明アリーナでWBO世界同級王者・ポール・バトラー(英国)との4団体王座統一戦に臨み、11回1分9秒KO勝ちした。軽量級初、アジア人初、世界9人目の4団体王座統一の快挙に加え、世界初の「4団体全KO奪取」の大偉業を達成。しかし、ボクシングがよくわからないライト層にはピンと来ない「4団体統一」はいったい何が凄いのか。改めて解説する。

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 勝利を決めたリング上、井上は4本のベルトを持ち、「4団体統一」への想いを明かした。

「史上9人目という数字が物語っている厳しさ、スーパーフライ級時代からこの目標を掲げてやってきた。団体の垣根という問題もあり、遠回りしたけど、この12月13日、最高の日になりました!」

 日本ボクシング史上最高傑作とも言われる井上が、こうも目指してきた「4団体統一」とは何なのか。現在のボクシング界にはWBA、WBC、IBF、WBOの主要4団体が存在し、各団体が「世界タイトルマッチ」と認定した試合で勝てば「世界王者」になれる。かつてはWBAとWBCの2団体制だったが、1980年代にIBFが、2000年代にWBOが主要団体として認められるようになった。

 しかし、近年では各団体で王者が乱立し、ライト層のファンには「結局、誰が一番強いのか」がわかりづらくなっていた。そこで各団体の王者同士が拳を交え、ベルトを統べる「王座統一戦」が行われるように。4団体制になって以降、世界では過去8人しか誕生していない。日本人では井上の3団体が最高だった。

 4団体統一王者が少ないのは、真の実力が問われるのはもちろんだが、試合の実現すら難しい背景がある。一つは指名試合の存在。ボクシングでは世界王者が楽な相手との対戦を選び続けることを避けるため、各団体が期日を決めて上位ランカーとの指名試合を義務付ける。井上も今回までにIBFから対戦指令を受けたマイケル・ダスマリナス戦をこなさなければならなかったため、他団体王者との試合まで時間を要した。

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