イギリスGP決勝、クラッシュしたマシンが観客席側へ…

　3日に行われた自動車レースのF1第10戦イギリスGP決勝は、カルロス・サインツJr.（フェラーリ）の優勝で幕を閉じた。スタート直後に激しい多重クラッシュが発生。F1初の中国人ドライバー・周冠宇（アルファロメオ）のマシンは横転し、フェンスに激突した。観客席のすぐ近くまでマシンが弾き出されたため、現地の観客もビックリ。米ファンからは「1人だけ生存本能を見せている」などとある男性に注目が集まった。

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　スタート直後、ピエール・ガスリー（アルファタウリ）とジョージ・ラッセル（メルセデス）のマシンが接触。スピンしたラッセルの車両が周の後輪にぶつかったことで、周のマシンは横転。火花を散らしながらコース外へ弾き飛ばされ、回転しながらバリアを飛び越ると、観客席前のフェンスに激突。破片を散らしたマシンは無残な形となってしまった。

　周のマシンが激突したフェンスのすぐ近く、観客席からレースを撮影していた映像には、恐怖のシーンも収められていた。真っ逆さまになった周のマシンが、火花を散らしながらこちらに近づいてくる。悲鳴が上がる中、「ガシャン」と音を立ててぶつかり、破片が飛び散った。

　米スポーツ専門メディア「ブリーチャー・レポート」公式ツイッターが公開し、「恐ろしい」「ビデオゲームのよう」と恐怖を感じた米ファンのコメントも集まっていたが、中には観客の1人に関するコメントも書き込まれていた。身の危険を感じたのか、ただ一人背を向けて階段を上がっていった男性だった。

「スマートな客が1人いる」「1人の客だけが自分の命を守っている」「1人だけ生存本能を見せている」「観衆の中に賢い客が1人いるね」「他の客はみんなスマホを構えている中、1人の頭のいい男がいる」などと、自身の安全確保を優先した男性ファンの行動に注目が集まっていた。