子どもが「給食を食べているから安心」は危険 不足する栄養素も…あくまで1日3食のうちの一食で
栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。プロ野球・阪神タイガースなどで栄養サポートを行う公認スポーツ栄養士・吉谷佳代氏が講師を務め、わかりやすくアドバイスする。今回は「学校給食」について。

連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」第48回
栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。プロ野球・阪神タイガースなどで栄養サポートを行う公認スポーツ栄養士・吉谷佳代氏が講師を務め、わかりやすくアドバイスする。今回は「学校給食」について。
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セミナーなどで保護者の方々とお話をしていると、学校給食があることで助かっている、という話をよく耳にします。
学校給食の歴史を紐解くと、起源とされているのは18世紀、ドイツで貧困児童に対して行った食糧支援です。日本の学校給食の始まりは明治時代。山形県の私立小学校が、貧困児童を対象に無料で実施したことが始まりと言われています。
日本ではその後、昭和7年に国の補助による学校給食がスタート。これを機に、子どもたちの健康維持、体格の向上と成長に寄与することを目的に、学校給食は全国に普及します。
そして、戦後以降、子どもたちの体格は著しく向上。長く、その役目を果たしてきました。
現在の学校給食の献立も、子どもたちの成長をサポートできるように設計されています。市町村の学校給食は、1日の必要摂取量の3分の1程度のエネルギーや栄養素が摂れるよう計算されているのが基本。また、現代人に不足しがちなミネラルは1日の必要量の2分の1は摂れるよう考えられています。
全国の12都道府県の小中学校の児童生徒910人を対象に行った食事状況調査(2014年11~12月実施)によると、子どもたちは肉類、魚類、卵といった動物性食品は、給食でも家庭でもしっかり摂れていることがわかりました。
一方、圧倒的に足りないのは、食物繊維のほか、カルシウム、カリウム、鉄といったミネラルです。特に休日は摂取量の不足が顕著。同調査によると、カルシウムは平日の33%に対し、休日は76%のお子さんが不足。カリウムも休日は51%の子どもたちが不足しているという結果が出ています。
また、この調査から、栄養バランスに偏りのあるお子さんは、ふだんから野菜や果物をあまり食べていないことがわかりました。