部活の熱中症対策、始めるべきは梅雨明け前から 人間の体は「約1週間で順化する」
栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。プロ野球・阪神タイガースなどで栄養サポートを行う公認スポーツ栄養士・吉谷佳代氏が講師を務め、わかりやすくアドバイスする。第28回は「梅雨明け前から始めるべき熱中症対策」について。
連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」第28回
栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。プロ野球・阪神タイガースなどで栄養サポートを行う公認スポーツ栄養士・吉谷佳代氏が講師を務め、わかりやすくアドバイスする。第28回は「梅雨明け前から始めるべき熱中症対策」について。
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急に日差しが強くなる梅雨明けは、熱中症が多発する時期です。
最近は現場をみていても、夏場の水分補給・塩分補給の意識の大切さは、かなり浸透していると感じます。一方、夏を迎えるまでに体を暑さに慣らすことの重要性は、まだまだ意識が低いとも感じています。
人間の体には、外気温の変化に適応し、体温を一定に保とうとするシステムが備わっています。気温が高くなると体にこもる熱を放散させて体温を下げ、低くなると筋肉を震わせて熱を生む、という具合です。
しかし、冷房の効いた教室や自宅で過ごすことが当たり前の生活を送っていると、急激な気温上昇に体の調整機能が追いつきません。すると、体にこもった熱を十分に放熱できず、深部体温(脳や内臓など体内の体温)が高いまま維持され、熱中症になるといわれています。
ですから、スポーツをする子どもたちは、本格的な暑さを迎える前に、暑さに慣れるための「暑熱対策」が必要です。