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アークテリクスの名作復活!襟を閉めると“ジッパーが顎に当たる”…14.3万円「Sidewinder」が出した答え

悪天候では襟を上まで閉めたい。でもフロントジッパーの金具が顎に擦れる――。アークテリクス「Sidewinder」は、熱成形した曲線ファスナーでその不満を解決。誕生25周年で復活した14万3000円の名作が、なぜファスナーを斜めにしたのか紹介します。

10秒で分かるポイント

悪天候では襟を上まで閉めたい。でも、フロントジッパーの金具が顎に擦れることがあります。アークテリクス「Sidewinder」は、ファスナーを曲線にして顎から逃がすという異例の方法で解決しました。

  • ・熱成形した曲線ファスナーで顎への干渉を軽減
  • ・25周年モデルとして2026年に復活
  • ・GORE-TEX ePE+補強素材で現代仕様に更新
メーカー

悩み・シーン

 雪山で風や雪が強くなれば、シェルのフロントを上まで閉めて顔まわりを守りたくなります。

 ところが、そこで起きる小さな不満があります。

 「襟をしっかり閉めると、ジッパーの金具が顎に当たる」

 フロントファスナーは一般的に、ジャケットの中央をまっすぐ上へ伸びています。

 防護性を高めるため襟を高くすれば、その終点はちょうど顎の近くになります。

 アークテリクスが2001年に発売した「Sidewinder Jacket(サイドワインダー ジャケット)」が特徴的だったのは、この当たり前の構造そのものを疑ったことでした。

 答えは、「ファスナーを真っすぐにしない」こと。

 誕生25周年を迎えた2026年、その象徴的な構造を受け継いだSidewinderが再登場しました。

悪天候では襟を閉めたい でも金具が顎に擦れる

 Sidewinderが最初に誕生した2001年、アークテリクスが向き合っていたのは、より山の奥へ入り、厳しいコンディションで滑るスキーヤーやスノーボーダーの要求でした。

 必要なのは、GORE-TEXによる高いプロテクション。

 しかし身体を守るために襟を閉じると、今度はフロントジッパーが顎へ干渉します。

 そこでアークテリクスは、通常なら直線で作るフロントファスナーを斜めの曲線にしました。

 見た目を特徴的にするためだけのデザインではありません。

 ジッパーの終点を顎の正面からずらし、悪天候に対する保護性能を維持しながら、金具と顎の擦れをなくすための形でした。

アシンメトリーには理由があった
 Sidewinderを象徴する斜めのファスナーは装飾ではなく、「襟を閉めたい。でもジッパーを顎に当てたくない」という実際の不満から生まれた構造です。

Sidewinder

ファスナーは普通、曲がらない 熱で成形して曲線に

 問題が分かっても、単純にファスナーを横へ曲げればいいわけではありません。

 一般的なファスナーは直線状に取り付けることを前提としています。

 そこで初代Sidewinderでは、「WaterTight」ジッパーを熱成形することで曲線状の形を作りました。

 フロントを斜めに横切り、首元では顎の正面を避けるように配置します。

 2026年モデルでも、このSidewinderを象徴する曲線型ファスナーを継承。

 日本公式では「顎の前で襟に丸い形状を出すことで金具と顎の擦れをなくす」と説明しています。

曲線型サイドワインダーファスナー

 熱成形によって立体的な曲線を作ったセンターフロントファスナー。顎に当たりやすい位置からジッパーをずらし、襟を閉じたときの擦れを抑えます。

25年前の形を残しながら、中身は現代仕様へ

 2026年のSidewinderは、2001年モデルをそのまま再発売したものではありません。

 象徴的なアシンメトリーのファスナーを残しながら、素材、フィット、構造を現代のフリーライドに合わせて見直しました。

 ボディとフードには3層GORE-TEX ePEを採用。

 ヨークや袖など摩耗しやすい部分には、耐久性を意識した100デニールのリップストップ表地を配置しています。

 一枚のジャケットをすべて同じ素材で作るのではなく、場所ごとの役割に合わせて素材を使い分ける構造です。

 防水性、防風性、透湿性を確保しながら、負荷がかかりやすい場所には強度を持たせています。

復刻したのは「形」だけではない
 25年前の問題解決から生まれた曲線ファスナーを残しながら、GORE-TEX ePEや補強素材を使って現在の山岳環境に合わせています。

Sidewinder

滑るときに動きにくいのも困る 着丈とシルエットも変更

 スキーやスノーボードでは、上半身を大きく動かしながら滑ります。

 そこで新しいSidewinderでは、現代のフリーライドスタイルに合わせてフィットも更新しました。

 採用したのは、短めの着丈とリラックスシルエット。

 アークテリクスは、スキーやスノーボード特有のダイナミックな身体の動きを妨げにくくするための変更と説明しています。

 メンズはMサイズでセンターバック長76cm。

 公式のフィット表記は「リラックス」です。

 ヘルメット対応のStormHoodも備え、強風時の視界確保にも配慮されています。

14.3万円のジャケットに何が入っている?

課題・用途 Sidewinderの設計
襟を閉めるとジッパーが顎に当たる 熱成形した曲線型フロントファスナー
雪や風から身体を守りたい 3層GORE-TEX ePE
摩耗しやすい部分を補強したい 100デニールのリップストップ表地を適所に配置
滑走時に身体を大きく動かしたい 短めの着丈+リラックスシルエット
ヘルメット着用時も頭部を守りたい ヘルメット対応StormHood
雪山での捜索にも備える RECCOリフレクター

Sidewinder
【メンズ】
Sidewinder
【ウィメンズ】

Sidewinder Jacketの主な製品情報

項目 メンズ ウィメンズ
価格 143,000円(税込)
発売日 2026年10月9日
重量 681g 589g
サイズ XS~XL XS~L
カラー 全4色 全2色
アクティビティ フリーライド

11月には「2001年そのまま」に近い復刻版も

 今回の25周年では、現代仕様に進化したSidewinder Jacketとは別に「Sidewinder Archive」も用意されています。

 こちらは発売当時のフィットや構造、アシンメトリーのフロントジッパーなど、2001年のオリジナルデザインを忠実に踏襲するモデルです。

 一方、素材には最新のGORE-TEX PRO ePEメンブレンとリサイクル素材を使った表地を採用。

 価格は165,000円(税込)で、2026年11月中旬の発売を予定しています。

 25年前のデザインをそのまま懐かしむだけでなく、現在の素材技術を組み合わせて再現する位置づけです。

「ファスナーは真っすぐ」という常識より、山での不満を優先した

 Sidewinderで最も目立つのは、左右非対称のフロントデザインです。

 しかし、その形から先に商品が生まれたわけではありません。

 悪天候から顔まわりを守るために襟を閉めたい。

 でも、真っすぐ伸びたファスナーの金具が顎に触れる。

 ならば、ジッパーそのものを顎からずらせばいい。

 そのために、直線で使うのが当たり前だったファスナーを熱成形して曲げました。

 結果として生まれたアシンメトリーな外観が、Sidewinderを象徴するデザインになりました。

 2026年モデルでは、さらにGORE-TEX ePE、100デニールの補強、現代的なフィットを追加。

 見た目の奇抜さではなく、山で起きる具体的な不満から形を決める。

 誕生から25年を経てもSidewinderが復活した理由は、その問題解決の考え方そのものにあります。

ARC’TERYX「サイドワインダー ジャケット メンズ」公式商品ページ
ARC’TERYX「サイドワインダー ジャケット ウィメンズ」公式商品ページ

【写真提供:アメアスポーツジャパン株式会社】

(THE ANSWER編集部)

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