「サバ缶」の何がそんなにいいの? 効果を最大限に生かす方法は“野菜添え”
「体にイイ缶詰」として、一時、スーパーの棚から消えるほどの売れ行きを見せ、今や定番のツナ缶以上に売れているといわれるサバ缶。一体、何がそんなにいいのか? そして本当に食べるべきなのか?
連載「働く人の食事術」―ブームになった「サバ缶」は本当に食べるべきか
忙しく働く大人世代が日常のパフォーマンスを上げる方法を“食”から考える「THE ANSWER」の連載「働く人の食事術」。Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が日々のパフォーマンスを上げる食事術を指南する。
「体にイイ缶詰」として、一時、スーパーの棚から消えるほどの売れ行きを見せ、今や定番のツナ缶以上に売れているといわれるサバ缶。一体、何がそんなにいいのか? そして本当に食べるべきなのか?
◇ ◇ ◇
突然、サバ缶ブームが起きたのは、ダイエットや美容にサバの脂が良い影響を与える、といわれたのがきっかけです。サバの脂が良いと言われる理由は、必須脂肪酸のEPAやDHAが多く含まれているため。EPAやDHAは今やサプリメントでも使われ、CMなどでも頻繁に出てくる単語なので、目や耳にしたことのある人は多いのではないでしょうか。
EPA、DHAは、様々な病態の炎症を抑える働きがあり、最近では認知症予防にも役立つという報告もされています。
体内で炎症を起こすと、ケガや体調の回復が遅れます。また、「万病の元」ともいわれ、糖尿病などの生活習慣病にも深く関わっていると言われています。そして、炎症を抑えるには食生活を整えることも大事であり、なかでもEPA、DHAが含まれる魚の脂が効果的と言われているのです。
近年、日本人の食生活は魚不足が指摘されていますが、体調管理に敏感なトップアスリートの間では、大分前から魚料理が見直されています。私がサポートしていたJリーグチームでも、3~4年前には意識の高い選手たちが魚に着目し、すぐにチーム内に浸透。また、最近では圧倒的に「肉派」が多かったラグビー選手の間でも、よく食べられるようになってきています。