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トップアスリートこそ風邪を引きやすい理由 冬にウイルスを寄せ付けない2つの対策

Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。通常は食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「冬場に風邪を引かない体作り」。

冬場に風邪を引かない体作りを紹介
冬場に風邪を引かない体作りを紹介

公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏の連載、今回は「冬場に風邪を引かない体作り」

 Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。通常は食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「冬場に風邪を引かない体作り」。

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 空気が乾燥し、気温が低くなる冬場は、アスリートも風邪を引きやすく、コンディションを整えるのに苦労します。

「強靭なアスリートは風邪を引きにくい」というイメージが一般的かと思われますが、実は風邪の症状を引き起こす上気道感染症にかかるリスクが高いそうです。適度な運動(1~2時間/日)をする人よりも、トップアスリートのように激しい運動する人、運動をほとんどしない非活動的な人のほうが、上気道感染症にかかりやすい、という研究結果が出ています。

 風邪を引かない体作りには、ウイルスから体を守る体の防御システム「免疫」を上げることが必要です。ところが、90分以上継続して強度の高い運動を行うと、ウイルスに対する抵抗力が一時的に低下することがわかっています。さらに、免疫は強い精神的プレッシャーによっても低下。よいパフォーマンスや結果を出したいという気持ち、さらに海外遠征やファンサービスなどで不特定多数の人と触れ合う機会が多いことなども、トップアスリートが風邪を引きやすい要因として挙げられます。

 また、食事をしっかり摂らずに激しい運動を行うと、風邪を引きやすいという研究結果も出ています。ですから免疫を上げるためには、十分な休養(睡眠)やストレスからの回避だけでなく、バランスの取れた食事がとても大事なのです。

 さて、季節を問わず、「バランスの取れた食事」を心掛けるのはアスリートにとって基本中の基本です。献立は「主食、主菜、副菜、果物、牛乳・乳製品」の5つのものを揃えるのが大前提。その上で、以下のポイントを押さえ、ウイルスを寄せ付けない体作りを行いましょう。

<1>ビタミンはDとAを意識して摂る

 冬場に特に不足しやすい栄養素が免疫機能を調整する働きのあるビタミンD。ビタミンDは日光に当たることでも体内で作られますが、日照時間の短い冬場は食品からも意識して摂る必要があります。また、ウイルスは鼻や喉から侵入しやすいため、粘膜を丈夫にするビタミンAも不足しないようにしましょう。

 具体的な食材は以下の通り。

【ビタミンD】丸干しの真いわし、さんま、たら、まかじき、しらす干し、むつ、金目鯛、ほっけ、ひらめ、うなぎのかば焼き、あんこうの肝、鶏肉、きくらげ、干ししいたけ
【ビタミンA】鶏肉、ぎんだら、レバー、色の濃い野菜(にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、春菊、大根の葉など)

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橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

 ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJリーグ横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けてのスポーツ食講座なども行う。著書に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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