[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

ドラマ「オールドルーキー」出演の元Jリーガー 引退→転職を経たリアルな会社員生活

シンガポール時代の伊藤さん(左)。7万人の大観衆の前でプレーするなど、貴重な経験を積んだ【写真:本人提供】
シンガポール時代の伊藤さん(左)。7万人の大観衆の前でプレーするなど、貴重な経験を積んだ【写真:本人提供】

練習生からJチーム加入→戦力外でシンガポールへ…青森でもプレー

 中学からサッカーを始めた伊藤さんは、群馬の名門・前橋育英高3年時にJ1・FC東京の練習に参加。ゴールキーパーとしてプロを志すようになった。早大では京都サンガF.C.の特別指定選手に登録されたが、入団は叶わず。大学を卒業し「サッカーは諦めようか」とも考えていた4月、ザスパ草津(現・ザスパクサツ群馬)から練習生として声がかかった。1か月で契約にこぎつけたものの、3年間でリーグ戦出場は5試合のみに終わり、2011年に戦力外通告を受けた。

 12月に行われたJリーグ合同トライアウトに参加後、是永大輔氏から連絡を受けた。同氏が社長を務めるアルビレックス新潟シンガポールへの入団オファーだった。伊藤さんは海外志向もあったため、前向きに承諾。異国から再びJリーグに戻ることを目標に海を渡った。

「悩みましたが、万人ができる経験じゃないので。(給料は)正直、厳しい条件でしたが、用意してもらった住居はコンドミニアムのプール付きで、食事もシンガポールなりの日本食は食べられる。不自由はなかったですし、永住したいくらいのいい環境でやらせてもらいました」

 日本人GKとして初めてシンガポールのリーグ選抜に選出され、マレーシア選抜との試合にも出場。アウェーで行われた試合には、7万人近い観客が集まった。日本でもなかなか体験できない、今も記憶に残る大規模な一戦だ。

 翌年は同じくシンガポールのゲイラン・インターナショナルFCでプレーし、2014年に日本に戻ってきた。加入したチームは、当時まだ東北一部リーグに所属していたラインメール青森FC。練習場所はゴールもなく、雑草の生えた広場。決して恵まれた環境ではなかったが、2016年からのJFL昇格に貢献するなど5年間在籍した。

 青森在籍中は、自作したプレー映像やプロフィールを国内外のチームに売り込み、ステップアップを狙い続けた。ただ、大学卒業から10年が経過した2018年には、上昇志向がふと切れてしまったのだという。

「上を目指すのが無理なのかなって、諦めてしまった自分がいました。その時点で現役は終わりかなと。一旦区切りを付けようということで引退を決断しました」

1 2 3 4
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
UNIVAS
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集