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ドラフト指名漏れから2軍球団へ…韓国21歳に迫る“タイムリミット” NPB選手に心酔して気づいた生きる道

パンチ力を秘めた打撃が何よりの魅力だ【写真:羽鳥慶太】
パンチ力を秘めた打撃が何よりの魅力だ【写真:羽鳥慶太】

日韓の野球“最大の違い”とは…NPB入りの先にある夢

「韓国の選手は、いいプレーといえばスライディングキャッチとか、逆シングルとか派手なプレーだと思っています。でも日本で大切なのは一番の基本。ゴロをきっちり正面で捕るとか。それも10回きたら10回、同じようにできるまでやるんです」

 学生時代に基本を叩き込まれている日本の選手と比べたとき、自分が出遅れているのはわかっている。元DeNAの山下幸輝コーチと、早出練習に明け暮れる日々だ。

 現在、最も大きな夢は、韓国に戻ってプロ野球入りすることではない。「自分は外国人になってしまいますけど、育成でもいいからNPBに入りたい。まだ若いので、可能性を見てほしい」。その先には、人生をかけた目標がある。

「来年、名古屋でアジア大会があります。そこの代表に入りたいんです」。金メダルを獲得すれば、男子に課される兵役義務が免除となる。韓国では軍隊行きをきっかけに、選手生活をあきらめる人も多い。抱える“タイムリミット”は、常に意識せざるをえない。

 ソウル高校のチームメートで、ドラフト全体1位指名を受けて韓国プロ野球入りしたキム・ソヒョン投手(ハンファ)とは大の仲良し。今も毎日のように電話がかかってくる仲だ。先に昨秋のプレミア12代表となった旧友とは「できることなら、もう一度一緒にプレーしたい」という夢もある。

 少年時代、アニメ「クレヨンしんちゃん」が大好きだった。テレビの中に描かれる日本は、韓国とは全く違う世界に映った。その日本に渡って3年、世界が大きく広がった。「同じところは同じだし、違うところは違う。辛いものが特に好きなわけでもないんで、生活には全然困ってません」。寮で他の選手と寝食を共にするうちに、日本語はペラペラになった。日本でプロ野球選手になるという夢のため、きょうもバットを振り続ける。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

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