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きっかけは5年前の“苦い記憶” 女子ラグビー元日本代表がフランス挑戦を決意した理由

「もっと人生を豊かにする」ための選択

 レッドカードによる、あまりにも早すぎるW杯の終焉や大怪我、五輪断念など多くの失意の末に海外挑戦を選んだ冨田だが、ラグビー強国での挑戦は、再起へ向けて冨田の背中を予想以上に強く押してくれたようだ。

「なんでラグビーをしているんだと考えた時に、オリンピックや代表で結果を出すためだけではなく、もっと人生を豊かにするためだなと、自分の中で結論が出たんです。じゃあ、豊かな人生を送るために何をすればいいんだろうとなった時に、いろいろな選択肢が増えたらいいなと思った。その選択肢が、私にとってのレッドカードの国、フランスでの挑戦でした」

 そんな思いで1シーズンを終えたフランスでのラグビー。シーズン終盤の怪我や、チームの苦闘などの困難はあっても、インタビューに応える豊かな表情を見れば、この挑戦が冨田をラグビープレーヤーとして再生させたことは間違いない。後編ではこの国のラグビーの魅力と、目の当たりにした男子代表を含めた強さを語ってもらう。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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