きっかけは5年前の“苦い記憶” 女子ラグビー元日本代表がフランス挑戦を決意した理由
「もっと人生を豊かにする」ための選択
レッドカードによる、あまりにも早すぎるW杯の終焉や大怪我、五輪断念など多くの失意の末に海外挑戦を選んだ冨田だが、ラグビー強国での挑戦は、再起へ向けて冨田の背中を予想以上に強く押してくれたようだ。
「なんでラグビーをしているんだと考えた時に、オリンピックや代表で結果を出すためだけではなく、もっと人生を豊かにするためだなと、自分の中で結論が出たんです。じゃあ、豊かな人生を送るために何をすればいいんだろうとなった時に、いろいろな選択肢が増えたらいいなと思った。その選択肢が、私にとってのレッドカードの国、フランスでの挑戦でした」
そんな思いで1シーズンを終えたフランスでのラグビー。シーズン終盤の怪我や、チームの苦闘などの困難はあっても、インタビューに応える豊かな表情を見れば、この挑戦が冨田をラグビープレーヤーとして再生させたことは間違いない。後編ではこの国のラグビーの魅力と、目の当たりにした男子代表を含めた強さを語ってもらう。
(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)