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家焼失、故障、親の反対… 川口能活は人生の岐路で何を貫き、決断してきたのか

自身のサッカー人生を綴った著書「壁を超える」を上梓した元日本代表GK川口能活(SC相模原)。42歳にして今なお、ピッチに立ち続ける希代の名GKはいかにして、現在の地位まで上り詰めたのか。全4回にわたり探る連載。第2回は子供の頃を振り返り、プロ選手になるまでの道をどう選択してきたのかを語る。

【連載第2回】「常に高い壁に挑む」―希代の名GKがプロになるまで節目にあった信念とは

 自身のサッカー人生を綴った著書「壁を超える」を上梓した元日本代表GK川口能活(SC相模原)。42歳にして今なお、ピッチに立ち続ける希代の名GKはいかにして、現在の地位まで上り詰めたのか。全4回にわたり探る連載。第2回は子供の頃を振り返り、プロ選手になるまでの道をどう選択してきたのかを語る。

 小学3年生の時、3歳上の兄の影響でサッカーを始めた川口。所属していた天間小学校サッカー少年団で県大会に出場。地元・富士市の選抜チームにも選ばれ、「強いチームでプレーを続けたい」と考えるようになった。

「たまたま、選抜チームのコーチが『東海大一中への進学を考えてみたらどうか?』と声をかけてくれました。東海大一中といえば、全国大会を狙えるレベル。地元の公立中学への進学しか頭になかった僕にとって、思いもよらない話でした」

 しかし、同時期、兄も受験を控えていた。さらにこの少し前、川口家は火事で家を焼失。兄の希望高校も東海大一中も私立。小学生ながら家の事情も考慮し、果たして自分の希望を通して良いのか悩んだという。

「その時、兄が『自分は勉強を頑張って公立に行くよ。お前が東一に行きたいなら応援するぞ』と言ってくれたんです。両親も東一を受験することに賛成してくれました。その後のサッカー人生につながる大きなチャンスを、家族やコーチがくれたんです」

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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