大阪の名門進学校から慶大、日本代表主将へ 「文武両道」を貫いた名ラガーマンの決断
ビジネスマンか、ラグビーを続けるか―
誰かに言われた目標ではなく、自分で考えて自分で決めた目標。だからこそ廣瀬少年は「あまりできなかった」勉強を、ガムシャラに頑張ることができた。
言うまでもなく、北野高校に入ることがゴールではない。その先にある自分の可能性に向かうための通過点でしかない。廣瀬はその後、慶応義塾大学に進学し、トップリーグの名門である東芝ブレイブルーパスに入団する。実は、大学卒業後の進路として、ラグビーを離れてビジネスマンになる選択肢を勧められたこともある。
「ラグビーで日本一になったことがなかったので、とにかく社会人になって日本一になりたかった。進路を考えた際、ラグビーは今しかやれないと思いました。ビジネスや勉強は後からでも遅くはないんじゃないか、と。だから『4年間だけラグビーをやります』って入団したんです。
ラグビーのスタイルで言えば、慶応と東芝では全然違っていました。それでも大学時代に何度か東芝で出稽古をやらせてもらっていて、ここに入ればまた違う自分に出会えるんじゃないかって思いましたね」
ここでも自分で考えて、進路を決断している。