サッカーを続けるために― なでしこ主将・熊谷紗希が“壁”を乗り越えられた理由
節目でタフな道を選択してきた熊谷を支えたのは…強くなりたい、上手くなりたい想い
プロになるまでの間、彼女の求める「サッカーにとってのベストの環境」はいつも身近にはなく、節目節目でタフな道を選択してきた。浦和時代も毎日往復4時間の通学時間を大学の勉強に費やし、浦和でのトレーニング後は食事をとり、洗濯をしたら倒れるように就寝。そして、朝6時には再び大学に向かう生活を毎日繰り返していた。
「振り返ってみると、『よく寝たー!』という覚えがない(笑)。今思えばよくやっていたなぁという感じですが、当時は必死だったので、まったく大変だと思わなかったですね」
強くなりたい、上手くなりたい――。常にその想いで、自らの歩む道を選択してきた熊谷。それは、フランクフルトに旅立った時も、そしてリヨンでプレーする今も変わらない。
◇熊谷紗希(くまがい・さき)
1990年10⽉17⽇、北海道生まれ。26歳。身長171cm・体重59kg、ポジションはディフェンダー。常盤木学園高から浦和レッズレディースに入団。2011年から活躍の場をドイツに移し、フランクフルトでプレー。13年には現所属であるフランスのオリンピック・リヨンに移籍。2015-2016シーズンには、リーグ戦、国内カップ戦、欧州チャンピオンズリーグの三冠を達成した。なでしこジャパンでは通算88試合に出場、現在はキャプテンを務めている。
ブログ:https://ameblo.jp/brave05/
インスタグラム:https://www.instagram.com/kumagai1017/
【了】
長島恭子●文 text by Kyoko Nagashima