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ナバレッテの目は輝いた― Sバンタム級最強王者に聞いた「VS井上尚弥」の可能性

WBO世界スーパーバンタム級王者エマニュエル・ナバレッテ(メキシコ)の強さばかりが目立った一戦だった。9月14日、ラスベガスのT-モバイルアリーナで行われたファン・ミゲール・エロルデ(フィリピン)との3度目の防衛戦で、ナバレッテは圧倒的な4回TKO勝ち。2回に左フックのカウンターでダメージを与えると、その後もリラックスした構えから悠然と詰めに取り掛かる。3回終了間際にはロープ際での豪快な左フックでダウンを奪い、この時点で勝敗に対する興味はほぼ失われた。

井上尚弥(左)とナバレッテ【写真:Getty Images】
井上尚弥(左)とナバレッテ【写真:Getty Images】

井上の将来のライバルと目される、スーパーバンタム級で無敵を誇るナバレッテ

 WBO世界スーパーバンタム級王者エマニュエル・ナバレッテ(メキシコ)の強さばかりが目立った一戦だった。9月14日、ラスベガスのT-モバイルアリーナで行われたファン・ミゲール・エロルデ(フィリピン)との3度目の防衛戦で、ナバレッテは圧倒的な4回TKO勝ち。2回に左フックのカウンターでダメージを与えると、その後もリラックスした構えから悠然と詰めに取り掛かる。3回終了間際にはロープ際での豪快な左フックでダウンを奪い、この時点で勝敗に対する興味はほぼ失われた。

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 最後は第4ラウンドにナバレッテが右クロスをヒットした直後、レフェリーが26秒でTKOを宣告。ストップ自体は少々早い印象もあったが、誰も文句は言えないほどに両者の実力差は歴然としていた。

「凄いパフォーマンスができてよかった。レフェリーは適切な仕事をしたと思う」

 リング上で余裕の表情でそう述べたナバレッテは、これで29勝(25KO)1敗。一見すると華奢な身体だが、前戦からわずか4週間という間隔で行った試合でも十分に力を発揮するだけのタフさがある。身長170センチ、リーチは183センチとサイズに恵まれ、同じペースで放ってくるコンビネーションは脅威。無敗だったアイザック・ドグボエ(ガーナ)への2連勝で評価を高めた24歳のメキシカンは、一気にスター街道を駆け上がっている感がある。

「こんな強さを見せてしまったら、周辺階級の選手は誰もナバレッテと戦いたがらなくなるんじゃないかな……」

 リングサイドで筆者の近くに陣取ったある地元記者は、思わずそう漏らしていた。必ずしも層が厚いとはいえないスーパーバンタム級で、今後はこのナバレッテも“階級最強候補”と呼ばれるようになっていくのだろう。

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杉浦 大介

1975年、東京都生まれ。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、ボクシング、MLB、NBAなどを題材に執筆活動を行う。主な著書に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)、「イチローがいた幸せ」(悟空出版)。

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