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いつも飢えていた Bリーグ新人賞、岡田侑大という“想像を超える男”の一直線人生

2018-19シーズンBリーグ新人賞に輝いた岡田侑大【写真提供:(C)B.LEAGUE】
2018-19シーズンBリーグ新人賞に輝いた岡田侑大【写真提供:(C)B.LEAGUE】

恐るべき速度で成長を続け、新人賞を獲得

 拓大を中退し、シーホース三河に加入した20歳は、入団翌日の11月16日の“愛知ダービー”でBリーグデビューを果たす。85-68で迎えた第4クォーターの残り2分にコートに入ると、その1分後には、ブロックに来たディフェンスをフェイクでかわして冷静にジャンプシュートを沈めて、Bリーグ初得点を挙げた。

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「鈴木(貴美一)ヘッドコーチ(HC)に声を掛けられた時は、準備していなかったので驚きました。コートに出た瞬間にファンの皆さんが温かく迎えてくれて、プロになったんだなという実感が湧きました」

 当初は大学とプロのフィジカルの違いに、「もう少しできると思っていた」と苦戦した。限られたプレーイングタイムでプロのレベルを体感しながら、自分にはプロとして何が足りないのかを見極めた。シュートの決定力を上げるため、これまであまりやってこなかったというウェイトトレーニングでフィジカル強化を図り、3Pシュートの練習も増やした。

「外国籍選手が2人いる中でドライブするのは難易度が高いんですけど、そこでドライブをせずシュートに行ってしまうと自分らしさがなくなってしまう。今はブロックされても、ドライブを出し続けるということが役割だと思う。シュートの決定力が上がれば、10点台校半も狙える」と果敢にチャレンジを続けた。

「成人式に出るよりバスケをやっている方がいい。授業がないので、バスケに専念できて一日一日が早く感じる」と一心にバスケと向き合った岡田は、驚くべきスピードでBリーグに適応。鈴木HCも「毎日できることが増えていく」と目を細める、まさに日進月歩の成長と続けた。1月23日の三遠ネオフェニックス戦で初の2桁得点をマークすると、27日の琉球戦から4試合連続で2桁得点を記録。30日の横浜ビー・コルセアーズ戦ではキャリアハイとなる23得点を叩き出す。

 岡田の評価を決定づけたのは、金丸晃輔と桜木ジェイアールの大黒柱2人を欠いた中で戦った3月の栃木ブレックス戦だ。Bリーグ屈指のディフェンス力を誇る栃木に対し、2試合合計で40得点を挙げる活躍を見せ、目の肥えたバスケファンを唸らせた。

 それでも、「シュートが入っただけで、あまり中に切り込めなかったし、チームを勝たせることができなかったのが悔しい。目標としている比江島(慎)さんや(ベストディフェンダー賞を受賞した)遠藤(祐亮)さんとマッチアップしてBリーグの厳しさを教えてもらえたのは良かった。明日からもっと練習から強度を上げていきたい」と試合後は課題を口にする。

 憧れの比江島との初対決には、さすがにテンションが上がったようで、「前半からグイグイ飛ばして、後半はバテました。スタッツでは勝ちましたけど、内容としては完敗でしたね。僕はただリングにアタックしているだけですけど、比江島さんは勝負所で得点を取ったり、周りの動きを見て動いて、余裕もってアシストをしていた。A代表との距離はまだまだ遠いと感じました」と目を輝かせた。

 翌週の千葉ジェッツ戦では、「ガツンとやられましたね。これが一番のチームだなと感じました。僕は石井(講祐)さんがBリーグで一番ディフェンスが上手いと思っているんですけど、Game1は3点、Game2は5点に抑えられましたし、トレイ・ジョーンズとマッチアップして止められなかった。富樫(勇樹)さんはマッチアップしてないんですけど、これが代表のAスタートの人だなと感じました」と越えるべきBリーグ、そしてA代表の壁の高さを目に焼き付けた。

「今季中にスターターになる」という目標をクリアし、出場した40試合のうち20試合に先発。1試合平均10.3得点を挙げて、圧倒的な差で2018-19シーズンの新人賞に輝いた。

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山田 智子

愛知県名古屋市生まれ。公益財団法人日本サッカー協会に勤務し、2011 FIFA女子ワールドカップにも帯同。その後、フリーランスのスポーツライターに転身し、東海地方を中心に、サッカー、バスケットボール、フィギュアスケートなどを題材にしたインタビュー記事の執筆を行う。

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