「違った景色を見てみたい」 横峯さくら、クラブ契約フリーで歩む優勝への道
東京大学とのタッグで得られた「再現性」の科学的実証
これかもしれない、あれかもしれない、とスイングを変えても効果は出ず。「何が原因なのか分からなくて、すごく迷路にはまった感じでした」と振り返る。そんな時、昔からのファンの1人から思わぬ言葉を掛けられたという。
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「日本で試合があった時、わざわざ東京から来てくださって。スイングに迷っているという話をしたら『おこがましいんですが、クラブをいろいろ試してみてもいいのではないでしょうか?』って言われたんです。その時、私は『え!?』って(笑)。そう考えたことはなかったので」
いろいろなクラブを試してみてもいいかもしれない。そんな気持ちを持ち始めていた時、1つの出会いがあった。昨年10月からスタートした東京大学スポーツ先端科学研究拠点と合同で進めるプロジェクトだ。東京大学が持つ最先端の機器を使った動作解析や重心分析などを通じて、自身のスイングをデータ化。すると、「スイングの再現性は高い」という結論にたどり着いた。
「スイングの再現性がないから、パフォーマンスが上がらないんだろうなって思っていたんです。でも、いろいろな角度から何度もスイングを測定して、科学的に再現性があると証明されたので、すごく安心しましたし、自信にもなりました」
ゴルファーにとって、常に同じ軌道のスイングを繰り返せるかという「再現性」はプレーの生命線になる。不安だった再現性に問題はないと、客観的なデータで証明されたこともあり、「だったらクラブを変えてみよう」と決断した。
今はいろいろなクラブを試しながら、新たな気付きや発見を得る日々だという。
「いろいろなクラブを試すのが、すごく楽しいですね。この前もフィッティングをしてきたんですけど、メーカーによってクラブのフェースも違うし、構えた感じも違うし、いろいろなシャフトがあるし。その時々で合う物を探していければいいと思っています」