指名漏れの痛みは世界共通「めちゃくちゃ泣きました。終わった…と」 韓国から2軍球団入りの21歳が感じた日本の「強さ」

日本の強みを教えてくれた雑草軍団「生活がすべて野球のためなんです」
高校の先輩に、かつて四国アイランドリーグの高知でプレーした選手がいた。代理人を紹介してもらい、紹介された徳島のテストを受けて見事合格。ただ、日本の野球には「正直言うと、あんまり興味はなかったんです。韓国プロ野球のスタイルを目指して練習していたし、メジャーリーグの方が好きだったので」。日本でまる2年過ごした今、その考え方はガラッと変わった。まず、環境の違いに驚いた。
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「韓国では高校からプロに行けなかったら、野球をやめてしまう選手も多いんです。あとは軍隊に行くときにやめる選手もいます。でも日本では、高校や大学からプロに行けなくても、野球をする道がたくさんありますよね。独立リーグもそうですし、ここ(ハヤテ)のようなファーム球団もそうです」
最初に入団した徳島インディゴソックスは、昨秋までNPBからのドラフト指名を12年連続で受けている“虎の穴”だ。在籍した2年間も2023年には6人、昨秋は4人がNPBへ飛び立った。指名を受けた選手たちの、プロ入りだけを真っすぐ目指した努力には驚きしかなかったという。
「自分もトレーニングは結構好きなんですけど、マジであの人たちはレベルが違いました。生活が全て野球のためなんです。試合がある日でも、6時に起きて家で自分の弁当を作ってくるとか。体のためにそこまでするんだとびっくりしました。試合前のルーティンや、試合後のケアもそうです。できることを自分で探してやるんです」
くふうハヤテにやってきて半年になる。気が付けば自分も、コーチにお願いして早出特守をするようになっていた。野球に没頭できる時間は有限。それならその時間を、野球に捧げるつもりだ。
ドラフトで生まれた明暗はその時のもの。数年後、数十年後に野球人生をどう終えるかは誰にもわからない。涙を拭いたチャン・ヒョンジンは新たな目標に向かって、走り続けている。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
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