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「駅伝も変わらなければ歴史に埋もれていく」 日本独自ゆえの警鐘、廃止トレンドの「大学VS実業団」は持続可能か

先頭でゴールテープを切ったトヨタ自動車の内田隼太【写真:柳瀬心祐】
先頭でゴールテープを切ったトヨタ自動車の内田隼太【写真:柳瀬心祐】

「実業団対大学」を継続するための方法は?

 駅伝はこれまで実業団と大学のトップによる「日本一決定戦」がなかった。今回「ドリームマッチ」としてクローズアップされたが、他の競技を考えれば、なかったのが残念な気もする。

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 もっとも、五輪や世界選手権にはない日本独自のレースなのだから「日本代表」を決める必要もない。実業団日本一を争うニューイヤー駅伝と大学(正確には関東大学)王者を決める箱根駅伝で完結させるのであれば、それもありだとは思う。

 日程的な問題もあって、今後「実業団対大学」のレースを行うのは不可能だろう。今回は各チームともギリギリのメンバー編成。ロードとトラックで過密な陸上競技のカレンダーに余裕はない。今後も続けるのであれば、既存の大会に変えて行うしかない。

 ニューイヤー駅伝を統合して箱根をオープンな大会にすれば盛り上がるのは確実。いずれも正月を目指しているのだから、日程的にも問題はない。あるいは、11月の全日本大学駅伝を実業団を含んだ日本選手権にするのはどうか。距離的にも両者が適応しやすいはずだ。もちろん、いずれも妄想で現実的ではないかもしれないが。

 1970年の大阪万博には、世界と未来が詰まっていた。ガイドブックを読みあさり、東京から3回も見に行った。2時間並んで見たアメリカ館の「月の石」は思ったほどではなかったが、ワイヤレス電話や動く歩道は衝撃だった。360度スクリーンの映画にも興奮した。

 もっとも、大阪万博で見た「未来」は55年後の今、リニアモーターカー以外すべて「当たり前」になっている。いや、当時は想像すらできなかったほど進化している。スポーツ界も同じ。半世紀超で大きく変わり、想像できなかったことが次々と起きている。

 大学との争いを経て実業団、社会人のスポーツは進化し、サッカーを筆頭にプロリーグまで誕生した。選手の海外進出など夢だったが、今はMLBや欧州でのプレーが子どもたちの目標になった。

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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