「10年前は信じられなかった」 主将・富樫勇樹が豪州相手に見た景色 パリ五輪から未来へ「繋がる大会に」
男子バスケットボールの世界ランク26位・日本代表は23日、北海道・北海きたえーるで国際強化試合に臨み、同5位のオーストラリア代表と95-95で引き分けた。89-90で逆転負けした22日の初戦に続き、パリ五輪を見据えた一戦。課題が浮き彫りになった連戦だったが、長年日本バスケ界を牽引してきた主将の富樫勇樹は、「10年前には信じられなかった」という景色を前に、強い覚悟を固めた。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久 真大)
日本生命カップ2024
男子バスケットボールの世界ランク26位・日本代表は23日、北海道・北海きたえーるで国際強化試合に臨み、同5位のオーストラリア代表と95-95で引き分けた。89-90で逆転負けした22日の初戦に続き、パリ五輪を見据えた一戦。課題が浮き彫りになった連戦だったが、長年日本バスケ界を牽引してきた主将の富樫勇樹は、「10年前には信じられなかった」という景色を前に、強い覚悟を固めた。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久 真大)
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主将の目は、日本バスケの過去と現在、そして未来を行き来していた。
両軍で最も小さい身長167センチ。自分より最大で53センチも高い豪州代表に囲まれながら、富樫は持ち前のスピードで間隙を突いた。巨体を当てられながらも抜群の体幹でレイアップを沈めると、ドライブを警戒した相手を嘲笑うかのようにプルアップシュート。ドリブルで守備を3人引き寄せると、比江島慎にキックアウトパスを通し、3ポイントシュート(3P)をお膳立てした。
15分22秒の出場で9得点3アシスト。主役は両軍最多の28得点6アシストを挙げた同じポジションの河村勇輝に譲ったが、大黒柱としての存在感を随所に発揮した。一方、チーム全体としてミスから簡単に得点を許してしまい、ターンオーバーからの失点は豪州の倍にあたる24を数えた。「細かいところを修正し、コミュニケーションをとってやらないといけない」。会見ではまず反省が口をついた。
89-90で敗戦した初戦に続き、勝ちきれなかった。世界ランク5位の豪州とはいえ、NBA組が不在で若手中心のチーム。トム・ホーバス監督は「細かいことがいっぱい足りない。それが大きな問題」と課題は1つではないと強調する。ファウルがかさみ、連係ミスからボールを奪われた。狙い通りにプレーを遂行できない甘さも目立った。富樫も「あと1か月でどれだけ成長できるか」。主将の目は厳しい。