[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

「今、凄く危機感を抱いています」 もがき悩む陸上・田中希実が真夏のパリで破る「本当の壁」【陸上セイコーGGP】

陸上のセイコーゴールデングランプリ(GGP)が19日、東京・国立競技場で行われ、女子1500メートルの田中希実(New Balance)は4分07秒39で日本人トップの4位だった。パリ五輪にピークをつくっていくところで「本当の意味での壁」にぶつかり、もがいている最中。世界で結果を出すために、現状を打ち破っていく。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

セイコーGGPで4位フィニッシュした田中希実(右)【写真:奥井隆史】
セイコーGGPで4位フィニッシュした田中希実(右)【写真:奥井隆史】

陸上セイコーGGP4位の田中希実「海外で戦える力じゃない」

 陸上のセイコーゴールデングランプリ(GGP)が19日、東京・国立競技場で行われ、女子1500メートルの田中希実(New Balance)は4分07秒39で日本人トップの4位だった。パリ五輪にピークをつくっていくところで「本当の意味での壁」にぶつかり、もがいている最中。世界で結果を出すために、現状を打ち破っていく。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 ◇ ◇ ◇

 レース後、田中の言葉は反省にまみれていた。

「自分の走りをレースでどう表現すればいいか、まだ掴めてないような形になってしまった」

 戦略自体はプラン通り。2番手でスタートし、残り700メートル付近から前に出た。トップでラスト1周を迎えたが、海外勢に最終コーナーでかわされる展開。スピードが足りず、4位だった。息を切らしながら敗因を述べる姿は、少し歯切れが悪い。

「ラストに余裕がなかったのが最大のところ。残り700メートルから押し切れるような力、並ばれた時にそこからさらに絞り出すような力が、まだ今の私にはなかった。コンディション的な部分というより、なんですかね、自分でも原因はよくわからないんですけど、そこは探っていくしかないのかなと。私は最後にもつれ込んだらああなってしまうので、そこまで離しておかないといけない」

 国内ではラスト1周の激走で突き放す。周囲から「いいね」と言ってもらえるが、世界と戦うには物足りないと自覚していた。

「自分の武器が確立できていないんじゃないか」

 1500メートルは3年前の東京五輪で8位入賞の快挙を果たした種目。ピークを合わせた夏場と単純比較はできないが、五輪準決勝で出した3分59秒19が日本記録のままだ。同じ国立を走ったことが差を浮き彫りにする。

「自分の中では東京五輪の時よりもいい練習は積めているので、4分を切る力はあるんじゃないかという感覚はあります。逆に東京五輪の時は感覚だけでいけていたので、もしかしたら当時の練習の方が劣っていたとしても、自分を信じる力は強かったんじゃないかなと思います。

 今はその逆。東京五輪の時より練習ができているからといって、果たして4分を切る練習なのかどうかはっきりしない。練習の中身は悪くはないけど、感覚的には今はその練習じゃ“ハマれない”のかなって。そこが自分の弱さかなとも思いますし……」

1 2
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集