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「日本はテクノロジーの分野でリードすべきだ」 世界的名将が本気で目論む日本ラグビーの革新――エディー・ジョーンズ独占インタビュー

日本のテクノロジー活用にエディーHCが本気になる理由とは【写真:矢口亨】
日本のテクノロジー活用にエディーHCが本気になる理由とは【写真:矢口亨】

日本のテクノロジー活用にも本気「私たちには名だたるリーディング企業のサポーターがいる」

 今からラグビー用のソフトを開発し、設備を作るとしたら次回W杯どころではない時間がかかりそうだが、指揮官は本気だ。

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「今、企業とも話をしています。誰かに投資もして欲しい。若い選手がそれを使えるようになるいい機会になるでしょう。準備時間がないのを、そこで補えればと思う。ただ、大きなプロジェクトで、高いレベルを目指していかないといけない。でも、日本はそういうテクノロジーの分野でラグビーをリードしていくべきだと思うのです。みてください、私たちには名だたるリーディング企業のサポーターがいる。だからこそ是非挑戦してみたい」

 ラグビー日本代表というチームを1歩でも前進させるためには、日本が持つハイテクノロジーさえも積極的に活用したい。そんな進化への旺盛な欲望が、どこまで実現できるかも注目していきたい。その一方で、日本のスポーツ界全般への視線もポジティブだ。

「全体として日本の指導レベルは上がっていると思います。女子バスケットボールを見ていても、どういうところで他の国と差別化してくかがわかっている。スモールボールというコンセプトで、速くボール動かして戦っている。伝統的なスポ―ツ、例えば野球での先輩後輩関係なども興味深いですね。先輩たちがチームを導くような形はいまだに強いですよね。すごくタフな構造を創り出している面もあると思うんです」

 こんな持論を聞いて、日本のスポーツチームにおける因習の中では「かなり理不尽なこともしてきた」という指摘に「間違いないね」と苦笑した指揮官だが、社会的にはいわゆる体育会的な環境でのパワハラなどが問題視される時代の中で、その利点も見出そうとしている。問題があるのは、むしろ日本の多くの競技でコーチングのプラットフォームが確立されていないことだ。

「日本では間違いなくコーチを強化していく必要があります。なので、私の1つの役割は、火を点けることだと思います。火を点けて、必要な仕組みを確立していく。例えば、高校、大学の従来の仕組みを変えるのは現実的には難しい。けれども、トップ選手になるための育成は出来るはずです。それをターゲットにしていく必要がある」

 エディーにとっては日本代表を強くすることが本業だが、コーチングレベルも含めて日本ラグビーの底上げを図ることも、第2次エディージャパンでの挑戦と捉えている。そのため高校、U20日本代表との連携も従来以上に密接にしていくことになる。

「そこをどう改善できるかも取り組んでいきたい。基本的には4月までは比較的時間があるので、ユース世代とも十分にやる。5月からはもう代表チームね。3月からはいろいろな大学訪問して、次に高校にも行きたい。だからプライベートジェットが必要なくらいだよ」

 プライベートジェットの冗談に、こちらから「テイラー・スウィフトに相談しておきましょう」と返すと「いいね。それ頼むよ」と満面の笑顔を浮かべていた。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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