「日本は今、適切な野心を持っている」 日本代表HC復帰の真相、“超速”で目指す2027年W杯の青写真――エディー・ジョーンズ独占インタビュー
ラグビー日本代表ヘッドコーチ(HC)に復帰したエディー・ジョーンズが「THE ANSWER」の単独インタビューに応じて、これからのチーム強化、日本ラグビーへの思いを語った。今年1月に就任すると2月6、7日には新旧34人の選手を集めた合宿(男子15人制トレーニングスコッドキャンプ)を行うなど、早くも27年ワールドカップ(W杯)へ意欲的に動き始めている。HCとして9年ぶりに直接指導した日本選手の進化をどう見ているのか、そして日本ラグビーにどんな変革をもたらすのか。就任会見で打ち出した「超速ラグビー」をどう作り上げるのかも含めて、2027年へ向けたロードマップが見えてきた。(全3回の第1回、取材・文=吉田 宏)
エディー・ジョーンズHC独占インタビュー第1回
ラグビー日本代表ヘッドコーチ(HC)に復帰したエディー・ジョーンズが「THE ANSWER」の単独インタビューに応じて、これからのチーム強化、日本ラグビーへの思いを語った。今年1月に就任すると2月6、7日には新旧34人の選手を集めた合宿(男子15人制トレーニングスコッドキャンプ)を行うなど、早くも27年ワールドカップ(W杯)へ意欲的に動き始めている。HCとして9年ぶりに直接指導した日本選手の進化をどう見ているのか、そして日本ラグビーにどんな変革をもたらすのか。就任会見で打ち出した「超速ラグビー」をどう作り上げるのかも含めて、2027年へ向けたロードマップが見えてきた。(全3回の第1回、取材・文=吉田 宏)
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
◇ ◇ ◇
就任から1か月半あまり。すでに短期合宿も実施して、毎週末には国内リーグを回り選手視察を続ける指揮官の旺盛さは、2015年までの第1次エディージャパン時代と変わらない。インタビュー冒頭では、強化に着手した今、日本代表HCとして最も重視しているのは何かを聞いた。
「常に選手たちです。どの選手がいいテストプレーヤーになれるのか、なれた後もしっかりと継続して成長出来る選手なのか見極めています。だから選手と一緒にやり取りできた福岡での2日間は非常に価値のあるものでした」
1月に行われた代表強化に関するメディアブリーフィングで「どんな選手を求めるのか」と聞いたときも「成長したい、もっと上手くなりたいと思っているような選手」と語っていたエディーだが、今回の合宿でも選手個々の能力の見極めと同時に、選手が持つ成長することへの意欲や取り組む姿勢を確かめている。エディーに認められたければ「パフォーマンスとアティチュード(姿勢)」が必要だ。本格的な代表強化はリーグワン終了を待つことになるが、早くもエディーらしさを発揮しながらのセレクションと落とし込みは始まっている。選手の能力を見極め、新たな力を発掘するために、この指揮官は1日2会場をはしごする貪欲さもみせる。
「重要だと思うんです。自分が実際に足を運んでゲームを見ることは。選手にとってだけじゃなく、ファンの皆さんにも、しっかりとHCが顔を出すことは意味があると考えています」
リーグワン期間中は国内リーグを視察するだけではない。選手を保有するチームとのコミュニケーションを広げ、深めることにも意欲的だ。
「ディビジョン1だけじゃなく、いろいろなカテゴリーの選手をみたいのです。ディビジョン2、3のコーチらとも話したいし、主要な大学チームにも行きたいと思う。U19(19歳以下)、U20(20歳以下)代表のコーチとも話していくし、イングランドも見ていきたい」
野心と意欲に満ちた言葉が、止めどなく溢れ出る。イングランドとは、もちろん2022年まで指揮を執ったラグビー母国の代表チーム。6月22日の第2次エディージャパンの初陣(東京・国立競技場)の相手が、この因縁のチームになる。7月21日にはイタリアとの対戦(北海道・札幌ドーム)も確定しているために、2月3日にローマで行われた両国代表の対戦を現地視察しているエディーだが、日本代表の強化と同時に、夏に待ち受ける現体制でのファーストテストマッチシーズンにも睨みを利かせている。