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「日本選手の未来のため」優勝者に支援金300万円 テニス西岡良仁、現役プロが大会を主催する意義

12月9・10日に東京都昭島市のモリパークテニスガーデンで、ある大会が行われた。「Yoshi’s CUP 2023」である。2021年に第1回大会が開催されてから、開催場所を変えながら今回で3回目を迎えた。

大会を主催した西岡良仁(前列中央)と出場した8人の中高生選手。次世代のトップ選手育成を目指す大会は今回で3回目を迎えた【写真:Yoshi’s CUP/長浜功明】
大会を主催した西岡良仁(前列中央)と出場した8人の中高生選手。次世代のトップ選手育成を目指す大会は今回で3回目を迎えた【写真:Yoshi’s CUP/長浜功明】

「Yoshi’s CUP 2023」を開催、8人の中高生テニス選手が熱戦を展開

 12月9・10日に東京都昭島市のモリパークテニスガーデンで、ある大会が行われた。「Yoshi’s CUP 2023」である。2021年に第1回大会が開催されてから、開催場所を変えながら今回で3回目を迎えた。

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 大会の特色は、現役プロテニスプレーヤーで世界ランク47位の西岡良仁(ミキハウス)が立ち上げたこと、そしてこれからを担う若い世代の選手を支援する大会であることだ。

 出場したのは、西岡自身が実績やプレーを見て選抜した8人の中高生。優勝者には海外遠征費用などの活動支援として300万円、また世界大会「Uchiyama CUP」の本戦出場権と「SBC Dream Tennis」への出場権も副賞として授与される。

 また西岡が選んだプレーヤーを表彰する「西岡賞」では、海外遠征費などの支援として50万円が授与される。

「今後の日本選手の未来のため、自分が現役として影響力を持ち合わせているうちに次世代の選手が活躍するためのインフラを作りたい」という想いからスタートしたという。

 大会にはいくつもの協賛企業がつき、またボランティアなど多くのスタッフが携わっていた。第1回大会では優勝者に対して100万円が授与されたが、第2回で200万円、今回は300万円、そして来年は400万円にするという。そこにも大会の運営におけるサポートが、年々広がっていることをうかがわせる。

 そうした多くの助力があるとはいえ、大会を立ち上げ、その中心にいるのは西岡にほかならない。傍から見れば、自身もプレーヤーとして活動している中、負担は決して小さくないようにも思える。

 しかし西岡は言う。

「(大会を3回続けて)モチベーションは、もっといいものにしたいと、どんどん上がってきていますね。僕自身、彼らが頑張っている姿とかを見ていい影響をもらっているので、別に時間が奪われてデメリットばかりではないですし、僕にとっても刺激として、とてもいい時間になっているからできるのかなと思います」

 今大会でも優勝を目指し、熱戦が繰り広げられた。優勝したのは川西飛生。決勝では田畑遼と対戦、第1セットを失ったものの第2セットは持ち前のサーブが威力を発揮して奪う。その勢いのままタイブレークを制したが、両者の優勝への思いが表れる試合だった。

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松原 孝臣

1967年生まれ。早稲田大学を卒業後、出版社勤務を経てフリーライターに。その後スポーツ総合誌「Number」の編集に10年携わり、再びフリーとなってノンフィクションなど幅広い分野で執筆している。スポーツでは主に五輪競技を中心に追い、夏季は2004年アテネ大会以降、冬季は2002年ソルトレークシティ大会から現地で取材。著書に『高齢者は社会資源だ』(ハリウコミュニケーションズ)、『フライングガールズ―高梨沙羅と女子ジャンプの挑戦―』(文藝春秋)、『メダリストに学ぶ前人未到の結果を出す力』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

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