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異例の五輪決定持ち越し 男子100kg級が「日本柔道の弱点」と言われる理由、長い苦難の歴史とは

パリ五輪柔道の日本代表が新たに3階級で内定した。3日まで行われたグランドスラム東京の結果を受け、男子60キロ級の永山竜樹(27)らが五輪切符を獲得。これで男女14階級中13階級の代表が決まったが、男子100キロ級だけは決定を異例の持ち越し。日本柔道の“アキレス腱”とまで言われる男子100キロ級、その苦難の歴史とは。(文=荻島 弘一)

男子100キロ級、東京五輪金メダルのウルフ・アロン(撮影は2021年)【写真:Getty Images】
男子100キロ級、東京五輪金メダルのウルフ・アロン(撮影は2021年)【写真:Getty Images】

「最終選考会」のグランドスラム東京でも男女14階級で唯一代表が決まらず

 パリ五輪柔道の日本代表が新たに3階級で内定した。3日まで行われたグランドスラム東京の結果を受け、男子60キロ級の永山竜樹(27)らが五輪切符を獲得。これで男女14階級中13階級の代表が決まったが、男子100キロ級だけは決定を異例の持ち越し。日本柔道の“アキレス腱”とまで言われる男子100キロ級、その苦難の歴史とは。(文=荻島 弘一)

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 強化委員会後の会見、男子代表の鈴木桂治監督は苦渋の表情をみせた。「100キロ級に関しては、選考を続けさせていただきたい」。パリ五輪に向けて代表の早期決定を掲げ、8月までに男女10階級を内定。「最終選考会」と銘打ったこの大会で残る3階級でも内定者を出したが、100キロ級だけは最後まで決め手に欠いた。

 大会前までは東京五輪金メダルのウルフ・アロン(27)と飯田健太郎(25)の争いだった。この大会で優勝すれば内定が出ることも予想されたが、ウルフは7位、飯田も2回戦敗退と惨敗。ともに「直接対決で決める」と意気込んでいたが、それすら実現しなかった。

 代わって飛び出したのが、18歳の新井道大。初出場ながら2回戦で世界王者のアダミアン(AIN=ロシア出身中立選手)に一本勝ちするなど会場を沸かせて決勝に進んだ。もっとも、決勝ではあっさり一本負け。「ジュニア枠」で出場しながらの大健闘は称賛されたが「シニアの経験が浅い」と代表内定は見送られた。

 ハイレベルの争いなら朗報だが、残念ながら決して高くないレベルの争い。ウルフはアジア大会で5位に終わるなど東京五輪の輝きは戻らず、3大会連続で世界選手権に出場した飯田もすべて早期敗退。ともに代表に内定するだけの結果を残していなかった。

 100キロ級のレベルの低さは、2009年から導入された世界ランキングを見ても分かる。この大会前まで日本選手では飯田の27位が最高でウルフは40位。上位に日本選手の名前が並ぶ他の階級に比べて、目を覆いたくなるほどの不振ぶりだ。

 世界ランクは五輪出場にも直結する。2012年ロンドン大会から出場のために上位のランクが必要になった。前回東京大会は開催国としてランクに関係なく選手が選べたが、今回出場資格を得られるのは17位以上と現状からは遠い。

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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