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上場企業でOL経験→ブランク3年で難関プロテスト合格 横峯父に導かれた25歳浅田実那の奇跡の1年

ブランクに入る前、横峯氏のもとで練習する浅田(手前)【写真:本人提供】
ブランクに入る前、横峯氏のもとで練習する浅田(手前)【写真:本人提供】

上場企業でOLを経験「パソコンの使い方もわからず…」

「ここで『もう、無理だ』と気持ちが切れてしまい、おいちゃんに『ゴルフを辞めます』と伝えました。おいちゃんも反対はせず、大阪の不動産会社を紹介してくれました。上場企業でした。ただ、ゴルフばかりをしていたので、パソコンの使い方も分からず、会社の方に教えてもらいながら仕事をしていました」

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 浅田は法人営業担当になった。だが、仕事の知識不足で「自信がなく、うまくしゃべれずにいた」。そして、しばらくすると良郎氏から連絡が入ったという。

「『もう1度、ゴルフをやったらどうだ』と言われました。でも、自分の中ではゴルフの生活は終わったこと。『不動産で頑張るから』と言って断りました。そんなやり取りを何度かしていたのですが、去年の夏、初めて私が『やっぱり、やりたい』と言いました。同級生の脇元華ちゃん、スタイヤーノ梨々菜が頑張っている姿をSNSで見ていて、『あのまま私が続けていたら、どうなっていただろう』と思い始めたからです」

 24歳での決断。会社に退社を申し入れると、「頑張れ。1年間、資金を援助するから」と背中を押されたという。それも、同社と良郎氏の関係性があったからこそ。良郎氏は会社側の恩情を把握した上で、浅田に条件を提示をした。

「資金援助に甘えず、とにかく毎日、コースでラウンドをしなさい」

 日々のプレー代やコーチ代のため、浅田は銀行に借り入れをするなどして支払いを済ませた。昨年9月から宮崎市のトム・ワトソンGCでラウンドする日々が始まった。

「おいちゃんは、ずっと『ゴルフは心だ』『考え過ぎるな』と言っていました。とにかく毎日ラウンドして、芝の上からボールを打って感覚を磨くことが大事だと。アプローチ、パットはなかなか感覚が戻らなかったのですが、今年7月の北海道合宿から急にゴルフの内容が良くなってきて、アンダーを安定的に出せるようになりました。おいちゃんの紹介で5月からDSPE(ツアープロを目指す女子ゴルファーを支援する団体)の月例会に出られるようになり、試合の感覚を取り戻せたことも大きかったです」

 良郎氏は「ゴルフは無心でやるもの」と考えていた。コースマネジメント、ライン読みでは頭を使うが、スイング、ストロークで悩むべきではないという信念だ。

良郎氏「技術的なことは悩まない程度に伝えました。本人の言う通り、夏の北海道合宿を境に状態が良くなってきたので、そこからは『もう、受かるから』と言い続けていました」

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