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貯金残高477円、借金も…ラグビーW杯でフランスへ、国際映像で話題の芸人・しんやの熱烈な競技愛

スタジアム周辺で海外メディアの取材を受けたしんや【写真:本人提供】
スタジアム周辺で海外メディアの取材を受けたしんや【写真:本人提供】

なぜここまで情熱を注げるのか「ラグビーの魅力は人のために行動するところ」

 でも、もう削る身がないほどの身を削る生活なのに、なぜ体一つで海を渡り、ここまで情熱を注げるのか。

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「シンプルに『まずは行ってみたい』というのが一番デカいんですよね。自分はラグビーありきの人生。現地に行って感動を味わいたい。熱狂とお祭りのような大会を楽しみたいんです。あと、『悩むんやったらやれよ』っていう性格。行きたいから行く。だから、そこまで渡仏を大ごとには思っていないんですよ」

 帝京大を卒業後は約5年間、一般企業の営業職を経験。吉本興業のタレント養成所NSCを経て、芸人人生が始まった。2019年のW杯日本大会は芸歴1年目。「ほんまに何もわからん状態」と、もらった仕事に体当たりしたが、次に繋がらず。試合会場にも行けないまま終わった。

 今回こそは現地で感動を味わいたい。帝京大時代は1つ下に中村亮土、2つ下に流大、3つ下に坂手淳史と今回の日本代表がいた。彼らが中心メンバーでいられる大会であることも強行渡仏の理由。身を削りながらW杯を満喫している。その裏には強いラグビー愛があり、お笑い芸人として楽しく、熱く、競技の魅力を届けていきたいという想いがある。

「ラグビーの魅力って、人のために行動するところだと思うんですよ。自分はロックというポジションでした。目立たないけど、凄く体を張れる。ラグビーは人のために身を削るものなんです。人のために行動することが、結果的に自分のためにもなっているんですよね。

 今はラグビー芸人の形でやってますけど、もともとNSCに入った時は漫才とかコントとかをやりたいと思って入ったんです。コンビを組んだけど、上手くいかず1人になって。じゃあ、何がおもろいかなと。自分の中では『ラグビーおもろいけどな』『あんまやってる人おらんな』ということでやってみたのがきっかけです。

 自分の中ではラグビーが一番おもろいスポーツと思ってるから、まずそれを知ってもらいたいです。まだ日本ではマイナースポーツ。『ラグビーをやってる人間ってこんなオモロイねんで』っていうことを伝えたいから、まずは発信しています。ラグビーに興味を持つきっかけになれたらいいかなって」

 日本が勝てば1次リーグ突破が決まる8日のアルゼンチン戦も会場で見届け、ラグビー熱を伝えていく。そんな明るさ全開のラグビー芸人だが、実は自身の現役引退はプレー中に受けた脳へのダメージが原因。先の人生が見えなくなった中、ラグビーに救われた過去があった。

(8日の後編に続く)

■しんや/お笑い芸人

 本名は松永真也(まつなが・しんや)。1990年5月21日、大阪市生野区生まれ。東生野中でラグビーを始め、大商大高、帝京大に進学。ポジションはLO(ロック)。一般企業の営業職で約5年働き、2018年春に吉本興業のタレント養成所NSC(41期生)入学。ラグビーネタを武器にピン芸人として活動中。19年にはラグビーを題材にしたTBS系ドラマの日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」に出演。WOWOWラグビー宣伝隊長を務め、「嬉しんや」「ありがトライ!」など名前やラグビーに絡めたギャグを持つ。ちなみに相方募集中。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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